本会議代表質問

今国会でTPP可決しないよう求める意見書 で討論

 国会でTPP批准案と関連法案が強行採決されようとしている中、京都市会でTPP批准しないことを求める意見書について討論をしました。

 私は、日本共産党京都市会議員団が提案しています、「今国会でTPP協定を批准しないことを求める意見書」(案)に賛成し、民進党京都市会議員団が提案されています「環太平洋経済連携協定(TPP)に関する意見書」(案)に反対し、議員団を代表して討論をいたします。

 参加12か国による環太平洋経済連携協定(TPP)については現在、批准案と関連法案が国会に提案されていますが、政府は、国会での議論の前提である資料の多くを「のり弁」の様に黒塗りで提出し、他国との交渉過程も公開しないなど、国民に対して情報公開が全く不十分なまま国会通過をさせようとしており、国民の不安や懸念は増すばかりであります。

 TPPの内容は、農林水産物の関税を撤廃し、重要5品目についてもコメや乳製品など無関税輸入枠やTPP枠を新たに設定し、牛肉・豚肉の大幅な関税引き下げ、果実や野菜及びその加工品における関税撤廃なども含まれ、国会決議から明らかに違反するものであります。その上、「TPP対策」の前提とされる貿易関税障壁で「輸入米の偽装問題」が発覚し、TPP対策の大前提が崩れる問題も起こっています。

 また、国会に提案されている内容には、公共工事、医療・保険分野、食の安全、投資家・国家間紛争(ISD)条項、など各分野に大変大きな影響を与えるものが含まれ、国民にとっても京都市民にとっても悪影響が懸念され、国民、各界から撤回の声が上がっています。このもとで、国会でTPP協定の批准案や関連法案の通過は認められるものではありません。

 したがって、政府においては、各国とのTPP「交渉過程」の詳細と協定本文を速やかに全面開示し、国会・国民の議論を保障し、今国会でTPP協定を批准すべきではありません。

ところが事態は「強行採決」が懸念される極めて重大な状況です。

 自民党のある衆議院議員は会合で、「TPPの委員会で強行採決という形で実現するよう頑張らせていただきます」と発言し大問題となりました。さらに政府側の山本農水大臣も「私は内心思っております。強行採決するかどうかは、この佐藤さんが決める。ですから私ははせ参じた」と国会審議を無視するような全くひどい発言をしました。

 この事態の中、「強行許すな」と国民も厳しく批判しています。民進党の国対委員長は、「巨大与党のおごりと緩み以外の何物でもありません。国民に説明する気があるのか」と厳しく批判したのであります。同党議員のみなさんから今国会での対応について、TPPの「批准と内容の2つの面で問題がある」「今のところ是とするような内容で国会審議が進むとは感じていない」(民進党広報委員会ホームページ)と見通しを語っています。また、先日、開かれた、「TPPを今国会で批准させない京都大集会」には、市民のみなさんとともに、様々な政党からの連帯のメッセージが披露されました。

 このもとで、国民のみなさんの願いに応えるために、わが党が提案しているとおり、「今国会でTPP協定を批准しないこと」が必要であって、意見書への賛同を求めて、討論を終わります。

(更新日:2016年10月26日)

5月市会 代表質問に立ちました。

西村善美市議 代表質問と市長等の答弁要旨。

右京区選出の西村善美です。私は、日本共産党京都市会議員団を代表して市長並びに関係理事者に質問します。
 はじめに。このたびの「熊本・九州大地震」について、犠牲となられた方々にお悔やみを申し上げ、被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げます。大きな被害が広がっていますが、一日も早い復旧と復興を願うものです。
 災害に備えて安心して暮らせる社会を築くこと、そして、1人ひとりが大切にされる社会をつくることが今こそ求められています。私は、代表質問において、最も尊重されなければならない命の大切さ、「個人の尊厳」などについて質問します。
生活保護制度における行きすぎた就労指導をあらためよ
 
 まず、生活保護制度における就労支援についてです。
 2016年度の「生活保護予算」が5億4100万円と大幅に削減されました。わが党議員団は、生活保護予算の削減や保護率の引き下げをすすめる市長の姿勢について、厳しく指摘し改善を求めてきました。
 2月市会でも、生活保護制度における厳しい就労指導のあり方について、わが党の玉本議員が事例をあげて質しました。この方は、高血圧、気管支喘息、精神不安定などの病気を抱え、働くことが困難となり生活保護を受給されていたものです。
 ところが、福祉事務所から「就労指導」があり、月5万円の仕事を始めました。しかし、「仕事に就いたが心身(からだ)がしんどい」と訴え、喘息の症状や精神不安など病状が悪化して行きました。病状が悪化したこの時にも、福祉事務所から「もっと稼げるところを探すように」と、さらに就労指導を受けています。そのために、言われたままに、仕事探しのためハローワークへ行き、そして、前の仕事を辞めて新しい職場に変わったのです。そうしたところ、今度は福祉事務所から、「収入が増えたので保護は廃止する」と言われ、廃止されてしまいました。
 この方は、もともと、病気を抱えていて長時間仕事をするのが大変な身体でした。そのため、結局は、その新しい職場も2か月間働いたところで、病気が悪化し働くことが出来なくなり、退職してしまったのです。そして、再び、生活保護が再開されています。しかし、保護が再開されたその時も就労指導を受けています。「病気を持ってしんどいと言ったが、やっぱり就労指導された」、「働けない苦しさを少しも分かってくれない」と訴えていました。
 身体が辛いにもかかわらず、再々「働いて」と就労指導されて、どんなに苦しい思いをされたのでしょうか。この方は、市長総括質疑で取り上げた3日後に48歳で亡くなっています。なぜ、こんなことが起きるのか。市長は2月市会の市長総括質疑おいて「保護費が減っていくのはすばらしいこと」とか、副市長は「保護費を増やすのが福祉の目的ではない」などと答えていますが、このような行き過ぎた就労指導の姿勢が、福祉現場と市民を追い込んでいます。その認識はありますか。まずお答えください。
 同じく、市長総括質疑の副市長の答弁においては、「就労支援と最後のセーフティネットとを両立しながら」「(就労)支援指導を今後も続ける」などと発言していますが、最優先にされなければならないのは、憲法で保障されている生存権の方です。市民の命と健康を守るため、病気を治療させることを最優先にすべきです。生活保護制度は国民の生存権を保障する憲法上の権利であり最後のセーフティネットです。この権利は侵すことは出来ません。市長がおこなうべきは、憲法で保障された生存権を守ることを、最優先にすべきではありませんか。いかがですか、お答え下さい。
(藤田副市長)生活保護は、生存権を具体化する最低生活の保障と自立支援の二つの目的をもつ制度だ。厳しい人員状況にあっても重点配置してきたケースワーカーが、その方の経験や不安、体調等を丁寧にお聞きし、一人ひとりの状況に応じた適切なメニューにより進めている。現場の第一線でさまざまな事例があることは承知しているが、就労支援そのものに問題がある、あるいは、福祉現場を追い込んでいるかのようなご指摘は全く当を得ない。
 平成25年度から継続している生活保護率の減少は、こうした受給者の方ご自身の取組、そして、それを支えるきめ細やかな支援の積み重ねの結果だ。
高すぎる国民健康保険料の引き下げを

 次に、高すぎる国民健康保険料について質問します。
 国民健康保険制度は、「社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」制度であり、国民皆保険を支える社会保障制度であります。
 京都市が説明しているような「相互扶助制度」との考えは、旧法の解釈であって、今の法律のどこにも「相互扶助」とは書いてありません。この社会保障を支える国保制度が、逆に加入者の生活を苦しめています。
 本市の国民健康保険では、加入者が約22万世帯で被保険者数は約34万人、所得の状況では、無職の方や年金生活者が多く、実に76%の方が所得割100万円以下の世帯であり、法定軽減適用率は73.8%となって、政令市で最も高い比率です。
 こういう加入者の所得状況にもかかわらず、国民健康保険制度では、介護保険制度のような「境界層措置」制度がありません。そのもとで、自治体において減免をしているのですが、生活保護水準以下であっても、高い保険料を負担せざるを得ず、「国保料が高すぎて払えない」と多くのみなさんから言われています。保険証を確保し安心して医療を受けるためにも、今こそ高すぎる国民健康保険料の値下げを決断すべきです。お答え下さい。
(保健福祉局長)国民健康保険は、相互扶助の考え方にもとづいた社会保障制度だ。保険料は、医療費の増加に伴い、本来引き上げる必要があるが、一般会計からの繰入れや、保険料徴収率の向上、後発医薬品の普及等の医療費適正化を進め、制度創設以来初めて全ての保険料率を引き下げた平成27年度と同水準の保険料率に今年度も据え置いた。平成27年度決算見込で3億円の累積赤字を抱える状況では、引下げは困難だ。
 次に、国保制度への国からの支援の問題についてであります。
 市民の大切な国民健康保険制度が、国が国庫負担率を大幅に後退させてきたことで、運営が大変厳しくなっています。そのもとで、今後も医療費の上昇や所得の伸び悩み等で、国保制度は一層厳しい財政運営が予測されます。しかし、年金生活者や失業者、非正規労働者が多く加入している実態を見れば、これ以上、加入者の負担は増やせません。国保制度は、市民の医療保障という本来の役割が、逆に重い負担や過酷な滞納徴収で住民の生活と健康、命まで脅かすという本末転倒の事態が広がっているのです。こうした本市の国保制度の危機的事態を打開する、抜本的な制度改革がいまこそ必要です。本市の国保制度を守り、国に責任を果たさせるためにも、国へ「国庫負担率」を高めるよう求めるべきです。お答え下さい。
(保健福祉局長)国の財政支援の拡充については、医療保険制度の一本化と併せて、かねてから要望している。
 次に、国保制度の都道府県単位化について質問します。
 この制度においては、都道府県が各市町村の納付金と標準保険料率を決定することとなります。市町村は、これをもとに保険料を決めて徴収することとなり、さらに一層の保険料値上げや徴収強化を進めることが予測されます。
 また、「納付金」などは、医療費の実績などをもとに決定されますので、医療費が増えれば市町村に医療費削減を迫る仕組みであり、一層の制度改悪となります。また、自治体における一般会計から国保会計への繰入について塩崎厚生労働大臣は、「国が支援を行うので解消される」と、自治体からの繰り入れ中止を迫る発言を繰り返しています。そうなれば、自治体の国保制度は一層厳しくなり、市民の医療保険制度が守れません。
 本市としては、一般会計から国保会計への財政支援を堅持すべきです。お答え下さい。
 また、新しい制度では、都道府県に、医療費や入院ベッド数、安価な後発医薬品の使用割合などの「医療費適正化計画」を策定させ、それが達成できない場合は、都道府県に対してさらに「対策」を強めるとしています。これは、いわば都道府県を司令塔にした強力な医療費削減の仕組みづくりにほかなりません。国庫負担を抑制しながら、保険者、自治体を医療費削減へ駆り立て、患者負担を増やす方向であり、国民皆保険に大穴をあけるもので、医療制度を土台から掘り崩す暴走と言わざるをえません。国に対して、強く国保の「都道府県化」の中止を迫るべきです。お答え下さい。
(保健福祉局長)都道府県単位化に当たっての一般会計繰入金の取扱いを含めた財政運営については、今後府で試算される標準保険料率や、国で予定されている財政支援拡充を含めた収入見込み等を勘案して保険料を定める必要があり、その中で、一般会計繰入金についても検討する。都道府県単位化は、制度の安定を図っていくことを目的としており、将来の医療保険制度の一本化に向けてのステップと評価しており、中止を求める考えはない。
保育所「待機児童」の抜本的な解決と対策を
 
 次に、「保育所の待機児童対策」について質問します。
 保育所入所を希望する全てのみなさんに安心して預けられる保育所を提供することは本市の大切な役割です。今年の春、入園希望者は「希望する保育園」へ入れたのでしょうか。保護者から、「遠くの保育所にしか入れなかった」、「兄弟(姉妹)別々の保育園になったので大変だ」などのご意見を多く聞きました。昨年度「入所申請をしたのに入れなかった子」は637人でありました。今年度の国基準の待機児童の実態については、つい先ほどようやく公表されましたが、「入所申請をしたのに入れなかった子」は、583人となっており問題です。
 全国で、そして京都でも、希望する認可保育所に入れない子どもたちが続出しながら、国が冷たい姿勢を取ってきたことに対し、「保育園落ちたの私だ」という運動が広がりました。
 その中で厚生労働省はようやく、「待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策」を発表し、対象の自治体へ対策を求めています。この対象自治体には、「待機児童3年連続ゼロを達成した」とされる京都市も含まれています。
 しかし、この「緊急対策」は、国基準を上回る人員配置や面積基準を持つ自治体に対して、「一人でも多くの児童を受け入れていただけるように取組み」をと言い、充分な保育環境整備をしないまま、もっと受け入れをと迫るものであり、きわめて問題がある「対策」です。これでは子どもたちを安心して預けることはできません。したがって、京都市においては、国の「緊急対策」による人員配置や面積基準の緩和はすべきではありません。いかがですかお答え下さい。
(藤田副市長)本年4月に向けて901人分の新たな児童受入枠を確保し、国基準における待機児童ゼロを3年連続で達成した。こうした下で、国が示した緊急的な待機児童対策への対応については、全国トップクラスの本市の保育水準を維持する視点に立ち、子ども・子育て会議等のご意見も伺いながら、慎重に検討していく。
 保育園・待機児童問題の解決と対策について、わが党議員団は4月14日、京都市に対して申し入れをしました。
 待機児童問題の主な原因は、認可保育所が決定的に不足していることや、低賃金など労働条件が低いため、保育士が働き続けられないことなどが上げられています。
 右京区の保育園経営者から、「京都市から更に子どもを受け入れてと言われたが、保育士の賃金が低くて募集しても来てもらえない」、また、「賃金は自助努力をしてやり繰りしている」、「保育環境を整えるため保育士の給与を上げるのは切実で、支援して欲しい」と話されていました。この意見は多くの保育関係者の声でもあります。
 保育士の働く環境を整えるため、不十分な国の基準を補い保育格差をなくす本市独自の制度を再構築し、賃金を引き上げて、保育士が働き続けられる環境を整えるべきです。いかがですか、お答えください。
 また、京都市では、待機児童数の実態把握において「保育所入所の不承諾数」の公表を行わないなど実態を明らかにしていません。京都市が保育の公的責任を果たすためにも、他都市が審査結果を公表しているように一次、二次審査、調整結果を早期に公表しながら必要な対策を講ずる仕組みをつくるべきです。お答え下さい。
 また、今後の保育施設整備において、公立保育所の廃止をすすめることは大きな問題です。待機児解消に取り組むためにも、公立や認可保育所の新増設をすすめ、公営保育所の廃止を中止することを求めます。併せてお答え下さい。
(藤田副市長)一部の都市で途中経過を公表されているが、入所対策に効果はない。丁寧な入所調整を最優先としており、その経過を取りまとめて公表することは考えていない。
 受入枠の拡大については、民間保育園の整備や小規模保育事業の設置により、新たに767人分の受入枠を確保し、幼稚園の預かり保育の充実等に取組み、子育てしやすいと実感していただけるよう全力を傾注する。
 市営保育所については、民間保育所の優れた実践も踏まえ、民間移管を着実に進めていく。
環太平洋経済連携協定いわゆるTPPは撤回せよ
 
 次に、大きな問題とっている、環太平洋経済連携協定いわゆるTPPについて質問します。
 政府は、日本・アメリカを中心とした12か国の経済連携協定を締結し、国内承認手続きに踏み込みました。しかし、多くの国民や団体から反対の意見が上がっています。そして、国会では、重要法案にもかかわらず、「黒塗りの資料」が提出されるなど、交渉内容全体の情報などが公開されていません。こういうもとで、政府は、今国会での成立を先延ばしの方向です。
 そもそも、TPPは、農産物の重要5項目を「聖域」として守り抜くと共に、十分な情報提供と幅広い国民的議論を求めた「国会決議」に反すると言うのが国民の多数の声です。JAの農政調査では、「TPPに不安を感じている」との割合は実に9割を超えました。これを踏まえれば、先延ばしをしても農業者や国民に理解されるものでなく、法案は撤回すべきものであります。
 一方、この問題で京都市の認識はどうでしょうか。まず、農業分野についてです。
 市はこれまで、「少なくともコメについてはTPPの影響は大きい」と悪影響を認めてきました。ところが、加盟12か国が締約し、政府が「影響は少ない」との姿勢に変わった途端に、今年3月の議会の答弁では、「TPP対策が取られるためコメについても影響は少ない」と認識を変えています。
 TPPの「大筋合意」がされた後、全国の自治体では独自の試算をおこない懸念を示す結果を発表しています。京都府でも、全庁的対応として「TPP対策連絡会議」を設置し、府内農林漁業へ影響を与える試算結果を公表しました。乳製品、鶏卵、お茶、野菜や肉類などに影響が大きいとする結果であり、「国に対策を」求めるというものです。
 右京区の農家のみなさんから、「地方の中小規模の農家は太刀打ちできなくなる」、「輸出強化と言われても限定的なもの」、「信頼された地元農作物と農家を守ってほしい」などと言われました。これらの声に対して、本市はどのように応えようとしているのですか。お答え下さい。

(産業戦略監)農業分野では、国から輸入米の影響を抑える対策が講じられ、農家経営の体質強化対策などの支援策が拡充される。
 本市としても、農家の声を生かし、京都のブランドカを生かした集約型農業の推進や、観光農業等の6次産業化を推進し、より付加価値の高い農産物生産体制を構築していく。
 さらに、TPPの悪影響は農業分野だけではありません。
TPPが「大筋合意」された後、日本医師会は、「公的な医療給付を維持し」、「混合診療を解禁しないこと」や「株式会社を医療経営に参入させないこと」など強く求める会長見解を発表しました。また、日本総研と言う調査団体が「TPPに関する全国首長アンケート」を実施したところ、「TPPについては反対が賛成を大きく上回っている」と、地方自治体の意見を分析しています。
 そして、京都市と京都府、市内の経済団体が昨年11月に実施したTPPについての「情報交換会」では、「安価な輸入品の流入に伴う価格競争を懸念する」などの声も上がっていました。「大きなビジネスチャンス」というより不安が高まっているのであります。しかも、TPPは、「関税は原則ゼロをめざす」とともに、国や地方自治体の公共事業も協定の対象です。これらの入札については、地元優先の措置などは「貿易障壁」として撤廃の対象とれます。このことで、住民のための自治体公共事業に影響を及ぼし、中小企業の受注機会が失われかねません。京都市としては市内経済と市民生活を守ることが最優先にされるべきです。市内経済や京都市が発注の公共事業への影響について、認識をお答えください。
(産業戦略監)TPPは、海外展開を目指す中小企業のビジネスチャンスであり、企業の海外展開を支援する。一方で、安価な海外産品の輸入増加等により、価格競争の激化も想定されるため、一層、中小企業の体質強化を図っていく。
 公共事業については、国がWTO協定に準じた内容であるとの見解を示しており、可能な限り市内中小企業への発注に努める。市内事業者と丁寧な対話を行い、情報収集に努め、国に対して必要な対応を求める。
「電力小売自由化」を契機に再生可能エネルギーの飛躍的普及・拡大を
 
 次に、「電力小売自由化」について質問します。
 4月1日以降、電力小売業が全面自由化され、家庭や商店も含む全ての電力消費者が、ライフスタイルや価値観に合わせ、電力会社や電気料金のメニューを自由に選択できるようになりました。
この自由化に伴って市民から様々なご意見をお聞きしています。「危険な原発や温暖化をすすめる石炭火力の電気より、自然エネルギーの電気に変えたい」などです。原発過酷事故を目の当たりにし、安全に生きていける環境づくりを願うことは当たり前のことです。京都市としても電力小売り自由化を、温暖化対策、原発ゼロのエネルギー社会、再生エネルギーの飛躍的拡大へ重要な契機にすべきです。
 そのためにも、京都市が取り組む、太陽光などによる発電と売電について、更なる拡大をすすめて市民の声にこたえるべきです。京都市が発電する電力の購入を市民に選択していただくように、再生可能エネルギーを飛躍的に普及すること。そのために、京都市の発電機能と売電の拡大をすすめることを求めます。お答え下さい。
(市長)本市の再エネ導入量は、4年間で1.5倍に増加し、クリーンセンターでは、燃やすごみの量が5年間で12%減少する中、効率的なごみ発電を行い、売電量を1.7倍に増加させた。発電量の70%増を目指す。
 本市で発電した電力の売却先は、公表しているが、新規参入の事業者の中には電源構成の開示が十分でない状況もあるため、指定都市自然エネルギー協議会で、その開示の義務化を国に求めるなど取り組む。
エネルギー政策としても、原発から脱却し、市民に安全な環境を
 
 次に、原発問題です。
 政府においては、CO2など温室効果ガスの排出量を2030年までに13年比で26%削減する「地球温暖化対策」を進めようとしています。しかし、この「対策」は目標が低すぎるうえに、石炭火力の依存を続け、原発にも頼ったものであり、本市の「環境基本計画」の目標とも異なるものではないでしょうか。 
 本市の「環境基本計画」は、「京都議定書誕生の地として」「徹底した省エネ及び再生可能エネルギーの飛躍的拡大、温室効果ガス排出量削減に寄与する環境・エネルギーの推進」を目標に掲げていますが、政府が推進する原発再稼働の推進や、石炭火力発電の拡大の方向が、市民の願いと努力に水を差すものです。
 東京電力福島第1原発の重大事故のあと、2年あまり「稼働原発ゼロ」となったときにも電力はまかなえ、温室効果ガスの排出も14年度は前年度に比べて3.0%減りました。これは太陽光など再生可能エネルギーの利用拡大に取り組んだ影響です。しかも、関西電力は今年の夏は「節電要請はしない」としており、電気は十分足りるのであります。改めて、原発からの脱却を政府に強く迫ることを求めます。お答え下さい。
(市長)福島原発事故の教訓を決して風化させてはならないとの強い決意の下、原発に依存しない持続可能なエネルギー社会の実現を目指す「エネルギー政策推進のための戦略」を策定し、国にも、原発のできる限り早期の全廃に向けたエネルギー政策の抜本的な転換を求めてきた。
京北地域を走るJRバスへの敬老乗車証の利用拡大を
 
 最後に、京北地域を走るJRバスへの京都市敬老乗車証利用についてです。
 右京区京北は高齢化率が高い地域ですが、高齢者が京都市内中心部に行き来するためには、JRバスが欠かせない交通手段となっています。162号線の山間地を走るこのバスは、途中の北区中川などで京都市の敬老乗車証の利用ができますが、京北地域では、「ふるさと公社」バスが、JRバスと重複して走る地域が少しあるため、敬老乗車証の利用は全く出来ません。
JRバスの運賃は、周山から京都駅まで片道1180円、往復2360円で、周山から右京の宇多野まででも、往復運賃は2000円を超え、高齢者には大変重い負担となっています。
「せめて京都市の敬老乗車証がJRバスに利用できないか」と京北地域の高齢者のみなさんの願いとなっています。負担を軽くして、安心して暮らせる交通環境の整備が求められています。JRバスの「京都駅から京北周山」区間の京北地においても、敬老乗車証の利用ができるようにすべきであります。お答え下さい。以上で、私の質問を終わります。ご静聴、ありがとうございました。
(保健福祉局長)京北地域では、旧京北町営バスを引き継いで運行される京北ふるさとバスを市バスに準じたものと位置づけ、敬老乗車証で京北ふるさとバスと市バス地下鉄の双方を利用できるよう制度を充実した。合併前も乗車証制度の対象外とされていたJRバスを、民営バス乗車証の対象とすることは、現時点では困難だ。

(更新日:2016年05月26日)

9月定例会で代表質問に立ちました

9月29日、各会派の代表質問が始まり、私は日本共産党市議団を代表して、質問をしました。以下、質問と答弁の要旨です。

右京区選出の西村よしみです。私は、日本共産党市会議員団を代表して市長に質問いたします。
災害対策の教訓生かし、危険箇所の総点検を行い、万全の防災対策を
 
 8月の台風11号と引き続く集中豪雨で各地に被害が発生しました。昨年9月の台風による被害の復旧が完了しないままの災害です。右京区京北上弓削では、山崩れによる土砂の流入で家屋損壊の被害を受けた高齢のご夫婦は、恐怖の中、暗い外に出て近くの納屋に避難しました。雨は一気に降りそそぎ、山は大量の水を含み土砂が崩れ、河川は各地で護岸が崩れました。
 京北では鉄砲水を防ぐため土嚢を積んでいた男性が水路に流されお亡くなりになりました。亡くなられた方にお悔やみと、被災されたみなさんにお見舞いを申し上げます。そして、近年繰り返す豪雨災害に対する万全の備えをし、災害につよい街づくりに向けて決意を新たにするものであります。
 災害対策について質問します。近年、「50年に一度」とか「100年に一度」と言われる豪雨災害が頻発しています。8月16日の豪雨は、一時間に90㎜近くの大量の雨が集中して降りました。京北では山崩れで、家財道具や車が土砂に押し流され、ペシャンコで木に引っ掛かっている状態はすさまじいものです。このような土砂災害は市内で今後も起こる可能性が高く、市民の命と財産を守るためにもその対策が急がれます。
 京都市内の「土砂災害警戒区域、特別警戒区域」の指定・公示については、指定すべき77地区・2418個所のうち、わずか49%の21地区・1185個所が指定されたのみで、残り56地区・1233個所が残されており、本市の災害への姿勢が問われています。この指定地域について京都市は、京都府に強く働きかけを行い、昨年9月の台風災害とともに今年8月豪雨で新たに発生した土砂災害個所なども総点検し、「土砂災害警戒区域、特別警戒区域の指定・公示」を早急におこない、災害対策に万全を期すべきです。
 また、市内各地でマンホールの吹上や水路の越水による住宅街の浸水も多発したことを踏まえて、内水氾濫の点検と対策を進めるべきです。更に、新たに発生した災害個所を含めた防災マップ作り、市民へ周知・徹底に取り組むべきです。これらについてお答え下さい。
(市長)現在1185個所の指定が完了しているが、残る1233箇所について、京都府とより一層連携を強化し、この度設置した土砂災害防止のためのワーキンググループの進捗管理の下、早期の指定拡大に努めていく。
 下水道幹線における空気抜き施設の設置や、水路の越水などの危険性がある箇所への土のうの設置等、引き続き取組んでいく。
 防災マップ水災害編は、過去の内水氾濫も考慮しており、8月豪雨による浸水箇所は、ほぼすべて含まれている。本市防災会議専門委員の助言のもとより適切な防災マップづくりに努め市民の方々に周知していく。

 今回の台風・豪雨災害は、昨年9月の台風被害個所で、再び被害が発生した個所が多くあります。例えば、京北周山町では8月16日の豪雨により、昨年9月の台風18号災害と同様に、床上浸水の被害が発生しました。被害に遭われた皆さんは、繰り返している水害について、「昨年の豪雨災害を検証したのか、その対策はどうなったのか」と怒りの声さえ上がっています。
弓削川と桂川が合流するこの地域の水害対策は、待ったなしです。災害の検証を早急にすすめるとともに、河川の浚渫、地域の側溝など排水機能の強化、樋門については京都市と町内が共同管理して強化すると共に、排水ポンプの設置など進め、安心して住める街づくりに全力を尽くすべきです。お答え下さい。
(小笠原副市長)
桂川や弓削川の水位が上昇しているときに、短時間に集中的な大雨で、水路から水があふれたと考えられ、その対策は急務。周山地区の浸水被害の原因を早急に検証し、浸水被害の再発防止取り組んでいく。
 今回の豪雨災害により、昨年に続き再び、田んぼや畑に大量の土砂が入り収穫前の稲や野菜が土砂に埋った個所があり、農林業が主な産業であるこの地域にとっては深刻な事態です。田畑には野生動物の被害を防ぐ、電気柵などが各地で壊れ、シカやイノシシが侵入し、作物を乱食しました。収穫目前の被害ですから皆さんは大変ショックを受けました。
赤石(あけし)地区で、水に浸かった田んぼでガレキを除去していた男性は、「昨年につづいてまた被害が出た、助けて欲しい」と切実な声です。
 上弓削筒江地区では、青々と稲が実った田んぼに、山から土砂が流入し、半分以上埋まったところがあります。農家の方は「去年の台風災害の時は補助金があって自分たちもお金を出して土砂を取り除いたが、今回はもう出せない」と話していました。また、「稲の生育はまだ7割の状態だが、今、刈り取る、金にはならない」と話す方もいました。
 これら被災者の声に応えることが京都市の役割です。9月補正予算で一定の前進もありましたが、災害支援のため国や京都府に対して更に支援を求めながら、京都市として、農作物、生産施設、防除柵などについて、農家、生産者組合などへの補助率を上げて軽減策を一層上積みすべきです。お答え下さい。
(塚本副市長)昨年と同等以上の手厚い支援に向けた補正予算を組んだ。農地や農業用水路等の国庫補助の対象とならない小規模な被害の復旧について、本市独自の支援策に更なる補助率の上乗せを行った。農業機械や農作物等の被害についても府市協調で対応し、特に2年連続の被害には補助率を引き上げるなど、支援に万全を期しているところ。
消費税10%引き上げに反対を

 次に、消費税増税について質問します。
 消費税増税後の国内総生産(GDP)は、年率7,1%減と大幅な落ち込みとなりました。特に個人消費は、年率で19%減と過去20年間で最悪であります。これは、増税前の駆け込み需要の反動減だけではなく、長年にわたる国民の所得の減少が消費を押し下げた結果でもあります。さらに、前期比で、企業の設備投資の減、公共投資の減、輸出の減という結果です。これを見ると、政府が描いた、消費税増税後の経済の落ち込みを、「大規模公共工事」や「円安による輸出拡大」など、アベノミクスに「期待」していたものが、もろくも崩れさった結果ではないでしょうか。経済の落ち込みが「想定以上」となったことで、消費をはじめ、日本経済への影響が、長期にわたって続くことが懸念されます。
 さらに、消費税増税が京都市内の中小企業と経済にも悪影響を及ぼしています。京都の金融機関の8月の景気動向調査によれば、企業の業況判断指数(DI)は5月比で7ポイント悪化しマイナス13ポイントとなりました。「実質的な賃金の減少などから個人消費の回復が遅れ」、「家計への負担が増し、需要回復の足取りが遅れている」と分析しています。京都商工会議所の経営経済調査でも、消費税の引き上げの影響で、「自社業況について、下降した」と答えた企業は40、6%にのぼっています。増税され多くの地元中小企業が苦しみ、市民の暮らしを直撃しています。消費税増税後の京都経済、とりわけ中小企業の実態について市長の認識を伺います。さらに、暮らしも経済も深刻な時に、安倍首相は10%へ増税する姿勢を変えていません。市民の暮らしを守るため、いまこそ、国に対して消費税増税を中止するよう求めるべきであります。お答え下さい。
(財政担当局長)各種調査によると、中小企業においては、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動や円安等により、業種による差が見られるが、基調的には景気は概ね緩やかに回復している。消費税10%への引上げについては、国において、経済状況等を総合的に勘案し、本年中に、適切に判断されるものと認識している。
住宅改修助成制度の実現、公契約条例の一刻も早い制定で、地域経済の活性化を

 地域経済の活性化の取組について質問します。
増税により多くの地元中小企業が苦しむなか京都市において、京都経済を立て直し、雇用環境を改善させるなどし、市民の暮らしを応援する取り組みが求められます。
その1つが、大きな経済波及効果を発揮する「住宅改修助成制度」の創設の課題です。京都府与謝野町は2009年から同制度を実施してきましたが、京都大学の研究グループがこの施策の経済波及効果を調査・研究しました。その結果、投入した補助金の、実に23,84倍、金額にして63億円もの効果があったことが判りました。この研究グループが、地域の経済に与えた影響について分析したところ、産業別の波及効果は、建設業が63,4%とトップ。金属製品、窯業・土石製品、鉄鋼、運輸、金融、保険など多様な業種に及んでいることも分かりました。この制度にかかわった施工業者と申請者は53,5%の方が「受注量が増えた」と回答しています。経済対策としての補助金が循環し地域経済に効果をもたらしています。こういう制度を早急に創設して市内の中小企業を支援すべきです。お答え下さい。
(都市計画局長)本市では、市内事業者が工事を行うことを要件とし、耐震リフォーム支援事業や省エネリフォーム支援事業を創設している。一般的な住宅改修に対する助成制度よりも、安心・安全の確保や低炭素社会の構築など、政策上の重要度・緊急度が高いものを、優先的・重点的に取り組んでいく。
 公共工事の設計労務単価改訂よる、労働者の賃金引き上げについて質問します。
昨年、14年ぶりに「公共工事設計労務単価」の引き上げが行われ、賃金引き上げの期待が高まっています。しかし、公共工事で働く皆さんの多くは賃金が上がっていません。
例えば、全京都建築労働組合が今年4月に公表した「賃金アンケート」(回答は約4000人)によると、公共工事にかかわる労働者の平均賃金は日給で、2013年が14290円ですが、2014年は13292円と、増えるどころか998円減っていました。
 また、京都市が発注している公共工事現場での聞き取り調査によると、43歳、経験年数20年の男性・大工の日給は18000円。42歳、左官工、経験年数19年の男性は13000円。71歳、配管工、経験年数56年の男性は15000円でした。いずれも改訂された設計労務単価より低い賃金です。現場で働く労働者の賃金は上がっていませんでした。京都市はさらに対策を強めるべきです。
そもそも、国がなぜ労務単価を引き上げたかと言えば、「構造改革」のもとに建設工事の単価が下げられ、賃金が切り下げられたことにより、建設労働者が減り、震災復興やインフラ維持に障害となってきたからです。この14年間で全産業の賃金下落が6%に対し、建設労働者の賃金水準は26%も低くなっています。
 しかし、問題は、公共工事設計労務単価の引き上げ分が、適正に賃金や社会保険など福利厚生に回されているかです。適正な労働条件の保障は、単に労働者の労働条件改善に止まらず、建設産業全体の課題にもなっているのです。
 下請も含めた、現場で働く労働者の賃金を確保するための取組を、いっそう強めていかなければなりません。本市が発注する公共工事において、単価引き上げに伴う賃金の引き上げなど適正な指導を強めるべきです。お答え下さい。
 次に、公契約条例制定の取組について質問します。
先ほど述べた賃金の引き上げなど労働環境の改善のためにも、公契約条例の制定が欠かせません。条例制定は急がれるべきです。
 本市の公契約基本条例の制定に向けた取組は、庁内検討会議の中間報告の公表のほか今年度は、労働者団体などからの意見聴取をおこなうなど、取組がおこなわれています。そのもとで、災害対策など国からの交付金が増えて本市でも公共事業が増えていますし、経済団体も「公契約条例の制定により公共事業を地域経済の活性化につなげる」よう期待が高まっています。
2011年12月に条例を制定した東京都多摩市で、今年4月に、公契約条例対象事業者にアンケートを実施しています。「適正な労働条件の確保・労働者の生活の安定に結びつく成果があったかどうか」の問いに、約70%の事業者が、「成果があった」又は「今後成果があると考える」との回答です。また、「地域経済・地域社会の活性化につながるかどうか」の問いについては、約60%の事業者が、「つながったと感じられた」又は「今後つながると考える」との回答で、大きな効果を発揮しています。
京都市内中小企業は、増税や経済の落ち込みで厳しい経営です。こういう時だからこそ公契約条例制定での支援が求められています。早期に公契約条例の制定をすべきです。お答え下さい。
 公共工事の分離分割発注による、地元中小企業支援について質問します。
 京都市が発注する工事全体について、2013年度の契約件数は、1721件で、その内、中小企業が1366件、79%の受注でした。しかし、工事契約金額を見ると、全体の741億円の内、市内の中小企業の受注金額は約398億円と、54%に留まっています。地域循環型経済の強化は、市民生活にも影響します。京都市の公共工事については、分離・分割発注を基本に、維持・補修工事の発注など、中・小規模工事を拡大させ、地域の中小企業の受注に結び付けることを更にすすめるべきです。お答え下さい。
(小笠原副市長)ダンピング対策をはじめ入札制度改革を毎年度行い、国の公共工事設計労務単価引き上げについては、事業者に対して、賃金水準の低下や社会保険等への未加入等の事態改善のため、必要な費用を適切に見込んだ下請契約の徹底を文書で要請し、労働環境の改善に努めている。
 公契約基本条例については、昨年度実施した事業者へのアンケート調査等に続き、今年度は、学識経験者や関係団体からの意見聴取等を進めており、これらを基にさらに検討を深めていく。
 本市の公共工事は、分離・分割発注の活用などにより、昨年度も契約件数では約8割、金額ベースでも法令上市内企業に限定できない政府調達協定の1件を除くと、7割以上を市内中小企業へ発注した。政府調達協定の案件も、市内企業を含む共同企業体に発注するなど、市内企業の受注機会の拡大に最大限取り組んでいる。

重度心身障害者、難病患者の支援強化を

 次に、重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した重症心身障害児(者)の介護について伺いします。
 第一種身体障害者第一級認定の重症心身障害児(者)のご家族から相談を頂きました。この身障児(者)は全国で3万8千人の患者がいると言われており、安心した生活を送るためには介護制度の充実が不可欠です。相談を受けた方は自力では全く生活が出来ません。32歳となったAさんは、ご両親が自営業を営みながら自宅で介護を受けて生活しています。入浴はご両親の2人がかりで入れるなどしていますが、仕事を遅くまでこなして、遅い食事を取り、その後にAさんを入浴させます。終わると深夜の12時が過ぎます。ご両親にとっては、子どもの介護の生活を続けていくために週に一度程度は施設へ預けて、夫婦とも心身を休めるようにしています。そうしなければ家族は介護を支えることができません。
 ところが、医療が必要な重症心身障害児(者)のショートステイを受け入れる施設は限られているのが実態です。重症心身障害児(者)は、肺炎を起こしやすく、てんかん発作、痰吸引など、いつ緊急事態がいつ起こるかわかりません。そのため、多くのみなさんが、医師・看護師が常駐している施設での介護を希望しています。希望する施設へのシュートステイの予約は一か月前から連絡を入れて取りますが、予約がなかなかとれません。どうしても予約が取れなければ、他の自治体の施設や医師・看護師がいない施設を利用しています。これらの患者のショートステイの施設のベッド数は京都市内でわずかです。ご家族は、「慢性期のベッド数は一床で、以前から増やす様に要望しているが変わらず、予約の取り合いが続いている」と話しています。重症心身障害児(者)やその家族が安心して介護が受けられるよう、ショートステイのベッド数を増やす対策を求めます。お答え下さい。
(保健福祉局長)重症心身障害児・者の短期入所の利用にあたっては、医療的ケアも含めたきめ細やかな対応が必要であり、聖ヨゼフ医療福祉センターを中心に受け入れをお願いしている。センターにおける短期入所ベッド数は、平成25年11月以降、3床から5床とし、直近の利用状況は約7割程度となっており、ニーズに応えられる環境を整えた。今後とも、ご家族の方のニーズを的確に把握し、支援の充実を図っていく。
 次に、「難病患者への医療費助成を柱とする難病医療法」の制定と今後の課題などについて質問します。
 今年5月に難病医療法が成立しました。NPO法人京都難病連のみなさんは「これは私たちが望むすべての難病患者・慢性疾患患者が安心して暮らせる社会に少し近づきました」と受け止めています。しかし、新法は新たな課題も生じています。
 新規認定者については負担が軽減される一方、難病の既認定者の内、住民税非課税世帯では、医療費自己負担が無料から大幅な負担増となります。例えば、気管切開による人工呼吸器の装着者は、無料から月1000円に引き上げられ、「重症患者からお金を取るべきでない」との厳しい批判の声が上がっています。そこで、これらの低所得者の医療費自己負担や、生きるために不可欠な装置は、無料にするよう政府に強く求めるべきです。お答え下さい。
 また、患者団体でもある京都難病連では、京都市の委託事業として「ピア相談」など実施して、患者の不安や生活相談などにあたり大きな支えとなっています。新法制定に伴い一層役割が高まり取組が増えることから、財政支援を増やすべきですが、いかがですか。
さらに、法制定で新たな難病疾病数が増えることに伴い、新規および既存の認定患者などへの対応を万全に行うため、各保健センターの体制充実をおこなうとともに、患者や関係団体へ制度を分かりやすく周知徹底に努めるなど支援を強めるべきです。
 難病者は、疾患がありながらも社会参加をすることを求めています。難病患者の就職サポーターの設置など支援につとめるべきです。併せてお答え下さい。
(藤田副市長)来年1月から対象疾患が56疾患から約110疾患へと大幅に拡充され、新たに医療費助成を受けることができるようになる難病患者は大幅に増える。難病患者の医療費の平均的な月額負担は、約4800円から約3200円へと軽減されると見込まれる。人工呼吸等の装着者や医療費負担が高額で長期に及ぶ世帯に対して負担軽減策も講じられており、引き続き制度の充実を国に要望していく。
 また、就職など、生活全般にわたる支援についても、京都府の「難病相談・支援センター」との連携や、京都難病連との協働による相談事業等を、今後とも取り組んでいく。
京北における学校統廃合ありきの小中一貫校の見直しを

 最後に、京北における、学校統廃合による小中一貫校づくりについて質問します。
合併から10年を迎える京北は、急速な少子・高齢化とともに人口減少がすすんでいます。「過疎地域自立促進計画」によりトンネルや水道施設などインフラ整備が行われて来ましたが、人口減少に歯止めがかかりません。こうしたなか京都市では、「京北地域の今後の活性化のビジョン」の策定をし、合併10年後の新しい京北のまちづくりをすすめようとしています。
 このもとで教育委員会は、学校統廃合を基にした京北小中一貫校づくりをすすめていますが、地元から「京北の活性化とは相反するのではないか」と疑問の声があがっています。
 そもそも「小中一貫教育」は、競争主義に拍車をかけ、学校の統廃合や教職員削減をさらに進めるもので、「競争と教育リストラ」が問題となっています。京北では過去に、学校の統廃合が行われてきた歴史があり、その影響を見る必要があります。
 1999年、京北には6つの小学校に472名の児童と、1つの中学校に257名の生徒がいましたが、その年、小学校は三校へ統廃合されました。それから15年後の2014年には、232名の小学生と126名の中学生となり、児童・生徒数は統廃合後、半分以下となってしまいました。
 実は、京北地域の「ゼロ歳から14歳の人口減少率」については、1990年から学校が統廃合された1999年まで10年間は、3%から7%の減少率でしたが、学校が統廃合された1999年以降は、18%から21%と高い減少率で推移しています。学校の廃校はその地域に大きな影響を与えています。
 学校は、運動会やお祭り、文化祭などを含め、地域の拠点としての役割を担っています。廃校により地域コミュニティーが薄れ、地域社会の荒廃へと進み、取り返しのつかない事態を招きかねません。京北では、小学校が廃校となり子どもたちは遠くの学校に通学することとなり教育環境が悪化し、保護者にとっても子育て環境に影響を与えています。学校の統廃合は、子どもの教育環境と地域社会の存続に関わる重大な問題です。保護者から「学校は地域社会の中心であり無くさないでほしい、むしろ子育て環境こそ良くして欲しい」との声を多く聞きます。
 教育委員会が議会で「京北地域で小中一貫校をすすめる」と発言して以降、教育関係者らが保護者らに、「小中一貫校は素晴らしい」「今年中に誘致の決議を上げよう」などと話しています。一方、保護者らから、「統廃合は唐突な話だ」「学校が無くなると地域は大変だ」「小中一貫校でなくても、今でも京北の子どもたちは素晴らしい」など、不安と批判の声を聞きました。この問題は京北における将来のまちづくりに関わる問題です。京北で、小中一貫校に名を借りた学校統廃合は、京北のまち壊しになるのではありませんか。学校統廃合ありきの小中一貫校は見直すべきです。お答え下さい。以上をもちまして私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。
(教育長)平成17年の合併以降も児童・生徒数が減少し、3つの小学校では、いずれも各学年単級、周山中学校も4学級127人となり、今後もさらに減少する見込み。このような状況で4校のPTAでは、今年度から学校統合を含めた小中一貫校の議論が開始されている。今後、地域にも議論の場を広げ、「京北地域活性化企画本部」の取り組みとも連携をはかりながら、保護者や地域の方々の期待に応えられる教育環境の整備に努めていく。

(更新日:2014年09月30日)

09年10月 代表質問

09年10月 1日(木)

西村よしみ議員の代表質問と答弁大要
09年9月定例市会 本会議代表質問

 右京区選出の西村善美です。私は、日本共産党市会議員団を代表して市長に対して質問をいたします。
労働者派遣法の早期「抜本改正」を
 まず雇用の問題です。今度の総選挙の結果は、雇用の問題でも明確な審判が下されました。新政権は、国民が強く求めてきた、労働者派遣法の改正に取り組むことを打ち出しています。

 政府が発表した7月の雇用統計によると、完全失業率は5・7%と過去最悪となり、有効求人倍率も0・42倍と過去最低を3カ月連続で更新しました。

 雇用の状態は、働く人たちの3人に1人、若者の2人に1人は不安定雇用という事態です。しかも最低賃金は、全国平均で時給713円、フルタイムで働いても年収150万円にもならない低水準にとどまっています。

 私のところに右京区にお住まいの43歳の男性から相談があました。自動車部品製造の関連会社、ジャトコで働いていたが、昨年3月に腰痛で休んだところ解雇を通告されたという内容です。この方は派遣社員でした。会社からは、「会社を辞めると直ぐに会社の寮を出なければならない」と言われました。事前に休むことを伝えて休暇をとったのに、なぜ解雇されるのか納得がいかない。そこで一人でも加入できる労働組合に加入して、会社と交渉を試みましたが、会社は解雇を撤回しませんでした。

 「何も悪いことはしていない、まじめにコツコツと生きてきたのに、住むところも生活の糧もなくなる、これからどう生きて行けばいいのか」と焦る毎日、職場と寮を追われる悔しさと絶望感で、「心の病気」となりました。次の仕事を探して面接をしても年齢を理由に断られつづけ、やっと決まった仕事も病気で、続かなくて短期で退職してしまいました。これでは生活できないので生活保護を申請し、今でも仕事につくことはできていません。

 仕事を探しても正社員の仕事がほとんどなくて派遣社員になり、社員寮を利用すると、寮費・光熱費を引かれ、手取り6万円から7万円の低賃金で働き、休めば簡単に解雇されたのであります。こうした雇用の実態がひろがり、国民の大きな怒りがおこり、政権が変わったのは当然であります。市長は、こうした国民の審判を重く受け止め、「労働者派遣法の抜本改正の立場」を明確に打ち出すべきであります。また、市内に立地する企業に、正規雇用の拡充を求めていくことが、あなたの責任ではありませんか。お答えください。

答弁(市長)非正規労働者の増加は、我が国の人材育成や産業基盤構築に関わる重大な問題と認識する。国会で、日雇い派遣の禁止、登録型派遣、製造業派遣の原則禁止等の改正が図られることを期待している。京都労働局や京都府と緊密に連携し、求人確保を更に強めていく。

 OECD経済協力開発機構は、「2009年の雇用見通し」のなかで,日本の労働者の貧しさを警告しました。それによると、「ワーキングプアの増大」「貧困層のなかに非正規労働者の割合が高い」ことを指摘しています。そしてこれら多くが「雇用保険に未加入」の問題などをあげています。そこで、これを解決するため「労働者派遣法の抜本改正をはじめ、最低賃金の引き上げ」の必要性など指摘しています。

 8月25日公表の「2009年版 厚生労働白書」は、昨年10月以降に非正規労働者約22万9千人が、雇用契約終了時に「雇い止め」や「解雇」となったと報告しています。

 京都市中小企業経営動向実態調査でも、「総従業員数削減の傾向が強まっている」と指摘しています。雇用形態別で見ると、社員を「減らす」の割合が、最も顕著なのが人材派遣社員でした。

 市長。安定雇用を作り出すため国に対して、いまこそ「労働者派遣法を早期に抜本改正すること」、京都市の最低賃金が生活保護基準より下回っていることを踏まえ、「全国一律に最低賃金を時給1000円以上に引き上げること」、その場合は「国に中小企業への支援措置」をすることを強く求めるべきです。お答えください。

答弁(市長)国と最低賃金審議会で改善されているが、引き続き改定が必要。中小企業の体質強化や生産性向上等を図るため、国に適切な支援を要望していく。

官製ワーキングプアをなくし、公契約条例の制定を
 次に、公務に関連して働く人たちの雇用問題です。京都市の職員は、2004年度から2008年度までの5年間で1301人が削減されました。その一方で、非常勤嘱託員や臨時的職員などに置き換えられています。 

 その人たちの賃金の実態は、非常勤嘱託職員で、月22万4000円、年間約268万円です。臨時職員の方は,高い方の人で日額8000円、20日間働いて,年間約192万円にしかなりません。「所得税、国保料、年金など支払えば生活はぎりぎり」で、「食べていけないような労働者を自治体が作りだして」いると厳しい声が上がっています。

 京都の自治体ではたらく、非常勤職員へのアンケートでは、「雇用契約期間での打ち切りはやめて欲しい」、「職員と同等の仕事の内容をおこなっている現状を踏まえて賃金、労働条件の格差はなくすべき」など意見が上がっています。

 9月に発表の「職員の給与に関する報告及び勧告」のなかでは、「臨時的任用職員及び非常勤嘱託職員は、市政運営の担い手としての役割を果たしている」と位置づけ、「職場の一員として、より意欲を持って働ける環境を整備していく」ための「検討を進めるべき」としています。京都市は、官製ワーキングプアをつくらないため、職員の削減計画は撤回し、賃金・労働条件を改善し、率先して雇用を安定させるべきではありませんか。お答えください。

答弁(人材活性化政策監)厳しい財政の中、満足度の高い市民サービスを最小経費で行うために、間断ない行財政改革が必要。総人件費抑制は重要な課題。非常勤、臨時的任用職員は、適切な役割分担を踏まえて任用。賃金・労働条件も適正水準を確保。「官製ワーキングプア」の実態はない。

 京都市が発注する公共工事や業務委託では、事業者において「公正な賃金」が確保され、さらに「品質が確保」がされなければなりません。そのためには、発注にあたり、予定価格の算定において十分な賃金単価や、適正な雇用条件の設定を発注先選定の条件とさせるべきであります。

 千葉県野田市では9月30日、全国で初めて公契約条例を可決しました。その内容は、市の発注する大規模事業や委託業務を請け負う業者に、国が決めた最低賃金を上回る給与の支払いを独自に義務付けるものです。なぜこの条例ができたのか。その理由は、「一般競争入札を実施するなかで、弊害が出てきたこと。総合評価方式による契約をしている中でも、低入札があること。そのツケが労働者の賃金や、下請け業者へ回ってくることが懸念される」との問題からでした。

 京都市に関連する仕事をしている方からは、「下請けの仕事をしているが、賃金が安い」との意見や、「仕事を取るために身を切る努力をしている」などの声を聞きます。

 最低価格をも下回り、予定価格を大きく割るような落札の場合、品質確保と共に、下請業者へのしわ寄せが危惧されます。ひいては市民サービスへしわ寄せが行くことにもなりかねません。

 本市において、公共工事における下請けなどの賃金の確保や適正な労働条件を確保するため、公契約条例の制定をめざすべきであります。お答え下さい。

答弁(財政担当局長)低価格入札で不適切な場合には契約を締結しないなど、適正な下請け取引の推進に努めている。「公契約条例」の制定は、他都市の動向を注視し研究していく。

ただちに母子加算を復活し、老齢加算の早期復活を
 次に生活保護行政について質問します。生活保護を受けている方々にとっては、生活保護の母子加算・老齢加算の廃止で、大変厳しい生活に追い込まれています。

 次は私が相談を受けた2つの事例です。右京区にお住まいの38歳の女性は、16歳と12歳の子供と三人暮らしですが、子供が「パニック障害」で、フルタイムで仕事をすることができません。パートで働いて給与は、月6万円から7万円で、後は生活保護費を受給しています。今年4月に母子加算手当がなくなり「就労促進費」を受けていますが、それでも成長盛りの2人の子供に色々とお金がかかるので、母子加算の復活を求めています。

 長妻厚生労働大臣は、生活保護の母子加算を年内にも復活させると明言しています。歓迎をするものです。

 市長。5月に開かれた議会においてわが党議員が代表質問で、母子加算の復活を求めました。これに対する答弁では、「母子加算廃止は社会経済情勢の検証の結果であり、妥当なものである」とする内容でした。今、この認識を反省し改め、母子加算復活のため、国と一体となって直ちに取り組みをすすめるべきです。お答えください。

 また、老齢加算の廃止の問題で 相談を受けた82歳の男性の場合、わずか1ヶ月21000円の年金のため、生活保護を受けています。しかし、老齢加算の廃止で生活費が2万円ほど少なくなり、生活が激変しています。電気代節約でクーラーは夏でもかけず、食事は1日2回に減らし、魚・肉などはほとんど食べられなくなりました。老齢加算の廃止で弱い高齢者をいっそう困難に追い込んでいる事実があります。

 市長。こういう事態は一刻も早く改善をしなければならないと思いませんか。

 国に対して、早急に、老齢加算についても復活の対策を取ることを強く求めていくべきです。お答えください。

答弁(保健福祉局長)今般の厚生労働大臣の発言は報道で承知している。生活保護制度が最後のセーフティネットであることを踏まえ、国の動向を注視し、老齢加算も含め、基準改定が行われた際には、迅速に対応する。

日米FTA交渉をやめ、農業支援を
 次に農業支援対策について質問します。

 右京区・京北の農家から、農業の実情について話をお聞きしました。コメの買い上げ概算価格は、60kgあたり「コシヒカリ」で12、450円。「キヌヒカリ」で11、300円程度です。一町三反を水稲しているという方のお話では、「稲作だけの年収は約160万円で 収支は赤字、兼業でなければとても生活できない」と訴えていました。

 原因は、不況の中で米の消費が落ち込んでいると言われますが、これまで農産物の輸入自由化が進められ、国民の食料を際限なく海外に依存する政策がすすめられてきた結果です。

この事態を解決する道は、日本の食料自給率の向上に踏み出し、食をめぐる国民の不安を打開し、農業を再生することにあります。

 日本の主食である米の再生産を可能にするためには、米の「価格」と、「安定供給」について、国が責任を持つことであります。そのためには、WTOのミニマムアクセス米や日豪FTAの締結をやめること。「コメの82%の生産量が減少する」と言われて農業が大打撃を受けるような、日米FTA自由貿易協定は、「交渉そのものを中止する」ことであります。

 市長は、農家を代表し国に対して、日豪及び日米FTA自由貿易協定の交渉そのものをやめて、価格保障や所得補償をおこなうこと、耕作放棄地対策のなど、農業再生を求めるべきではありませんか。お答えください。

答弁(産業観光局長)農家の高齢化、農産物販売価格低迷など状況は厳しい。国が進めている自由貿易協定の内容次第では、日本の農業に大きな影響を及ばすことになると憂慮している。国の新たな政策を注視する。

 京都市は、今後10年間の次期京都市「農林行政基本方針」を策定のため検討委員会で作業をすすめています。農業統計、「京都市農林業の主な誘導数値目標の達成状況」の資料では、農地面積、農業従事者、水稲面積、生産量、自給率などいずれも減少しています。農業も林業も生産者は、小規模事業家が中心で、「生業として成り立たない」というのが実情です。この状況において、これからの農林業の振興対策をどのようにしていくのか大きな課題があります。そして、新たな「農林行政基本方針」は、京都市の農林業の再生に重要な役割を担うべきものであります。

 市長は、「農林行政基本方針検討委員会」のあいさつの中で、「農業・林業は人類のもっとも大切にしなければならない、命を育む基本である。また農業・林業は、環境問題とも切っても切れないものである。日本の食料自給率は4割をきり、木材は8割を輸入に頼っている。日本の森は荒れている。先日、京北に行ってきたが、山は松くい虫でひどいことになっている。また花背にも行ってきたが、こちらも高齢化で深刻な事態だ」と発言されていました。これらの現実をふまえて検討委員会の中でも委員から、「学校給食への地産地消の取り組み」や「耕作放棄地対策」の重要性、「所得補償」などについて真剣な議論がされていました。これらの施策については、たいへん重要でありますので、次期「基本方針」に生かすべきであります。お答えください。

答弁(産業観光局長)「京都ブランドを生かした魅力ある農林業の構築」「都市農地保全による地産地消」等の視点に立った議論を深めていく。更なる振興・発展に努める。

消費者行政の推進、相談体制の確立を
 次に消費者保護について質問します。消費者庁が9月に設立されました。

 これまでの消費者行政は、経済産業省や厚生労働省など、各中央省庁がそれぞれの立場で、「企業育成」と「消費者保護」という、時には相反する両面の課題を受け持ってきました。

 このたび設立の消費者庁は、消費者の保護を本旨とする行政組織で、お目付け役の消費者委員会の設置とともに、消費者行政の司令塔の役割を担い、国民の権利と利益を守る使命を担います。

 そのもとで、地方自治体の消費者行政は、消費者保護の役割において、これまでにも増して重要なものとなりました。

 国会で法の成立にともない、「地方消費者行政の支援」など付帯決議が付されています。それは、消費者と直接の接点となる、地方の消費者センターなどの体制確立に万全を期するためです。 

 しかし、消費者センターの人員配置や国の支援などは「三年以内に検討」と、先送りされたままです。また、「消費者ホットライン」の窓口が全国いっせいに開かれないなど、体制が不十分なままの見切り発車の感が否めません。

 消費者被害を繰り返させないため、国の支援のもとに、新たな地方消費者行政をつくるときであります。そのために国は、自治体へ資金面の支援をおこなうべきです。そこで、京都市は、国に対して早期に、消費者行政の体制確立を求めるべきです。お答え下さい。

 消費者問題に対応する相談体制を、さらに拡充させていかなければなりません。京都市の2008年度、「消費生活相談」の件数は、7801件で、前年度と比べて109件増加しています。

 相談内容の中で多重債務問題が、前年度構成比で6、5%から14、7%と2倍以上に増えています。それはなぜ増えたのか。要因は、「多重債務専用相談窓口設置」や「特別相談の実施」など、特別に体制を強化した結果にあります。

 この取り組みを、さらに生かすことが必要です。全般的に相談体制の強化をしていくことで、ひいては市民の消費生活に対する「相談の需要に応える」ことになります。こうして市民の「生活の安心確保」にもつながるわけであります。

 そこで、相談員を増員すること。研修会等をさらに充実して、専門知識や相談能力の向上を図ること。さらに、相談員の待遇改善が必要です。安心して相談業務に取り組むことができる労働環境・賃金保障にいっそう取り組むことが求められます。

 市長、相談員の増員、報酬増額など待遇改善のため、京都市の努力とともに、国に対して支援策を求めるべきであります。お答えください。

答弁(市長)多重債務対策など相談体制の拡充を推進。市民生活センターの相談内容は、年々複雑・多様化のため、相談員のレベルアップを図ってきた。相談増加に対応できるよう、体制強化に努め、消費者庁と十分連帯し、更なる拡充を図る。これらの取り組みを着実に実施し、消費者が自立、安心して暮らせるまちをめざし、京都ならではの取り組みを全力で推進する。

京都市立芸術大学の法人化はやめ、施設整備を急ぐべき
 京都市は、京都市立芸術大学を、2012年度をめどに公立大学法人化を目指すとしています。しかし、はたして京都市立芸術大学にとって独立行政法人化が必要なのか、疑問であります。

 地方独立行政法人法は、2000年12月「行革大綱」で導入が決められ、いわゆる「官から民へ」の「構造改革路線」の一環で、これを大学運営にも持ち込んだものです。

 国立大学が法人化された結果、国からの「運営交付金」は毎年1%削減、5年間で720億円も削減され、その影響で人件費の削減や研究費が減少しています。

 地方自治体の公立大学でも、国立大学と同じ傾向にあります。2007年度に法人化された愛知県立大学では、2007年度運営交付金は約55億円だったのが、09年度は約51億円になりました。その結果、職員は人材派遣職員や契約社員の配置がすすめられ、教員も任期制及び特任教員制が導入されました。

 横浜市立大学では、任期制や年俸制導入。大阪市立大学は5年間で経費約20%削減。北九州市立大学は、教員の業績評価で研究費の傾斜配分を導入するなどいずれも効率化や目先の成果を強いられているのが実態です。沖縄県立芸術大学では、「法人化による運営は採算がとれず、大学施設の更新を先行させる」として法人化をストップしています。

 公立大学は、広く知識を授け、専門の学芸を教授・研究し、知的、道徳的及び応用的能力を発展させることを目的に、住民の教育要求にこたえ、地域に貢献するため、地方自治体が設置し、経費を負担します。

 しかし、法人化されると経費負担は法人の責任となります。また、自治体の首長が大学の目標を定め、その達成業績を評価委員会が評価することになるのです。これでは教育研究が首長の意向に左右されるようになります。大学の自主性が損なわれる恐れがあります。また議会の関与が縮小・空洞化されます。効率的経営や自己資金の獲得が強められ、資金確保に結びつかない「教養教育」や「基礎研究」など弱まることが危惧されています。

 大学での「基礎研究」の役割について、元京大総長の尾池和夫さんとノーベル賞受賞の益川敏英さんは、雑誌対談のなかで「基礎研究は何のためと考えないで、これが大事だとおもったら信念を持って基礎研究をやる」とその重要性を語っています。

 また、国際日本文化研究センターのある教授は最近、新聞投稿で、「文化・学術への施策は、性急に成果を求めたり、効率的見返りを期待するものではない」、「長期目標」「中期目標」など立てさせて、「第三者による評価を求める制度は真の成果は望むべくもない」と語っていました。

 いずれも、大学における研究活動の在り方について、示唆に富んだ指摘であります。

 国会で、地方独立行政法人法に対する付帯決議がされています。「憲法が保障する学問の自由と大学の自治を侵すことがないよう、大学の自主性・自立性を最大限発揮しうるための措置を講じる」という内容です。

 京都市立芸術大学は2004年、学内に「将来構想委員会」が設置され、2006年「京都市立芸術大学の将来に向けて」という将来構想を差し示しました。その結論は、「法人化をすすめることは妥当でない」というものでした。

 今、学内からは、法人化について、「京都市の大学改革方針や基本計画案に、学内の議論が反映されていくのかは明確でない上、半年程度で基本計画案を策定するということは、学内の議論と大学の自治を軽視するものです」との声があります。これに正面から向き合うべきであります。

 市長。「大学の自治」などを考えるならば、京都市立芸術大学の地方独立行政法人化はやめるべきではありませんか。お答えください。

 大学のまち・京都にあり、唯一の公立4年制、京都市立芸術大学は市民的財産であり、大学が果たしてきた芸術分野での世界的・歴史的価値からしても、一層の支援が必要であります。

 設置から30年を迎えようとしている京都市立芸術大学は、老朽化が顕著な施設が生まれています。ひび割れた建物、モルタルが欠けている箇所、収蔵庫は作品が満杯状態で保存が心配されています。法人化ではなく、まず施設整備を急ぎ、教育研究環境を整えるべきであります。答弁を求めます。

答弁(星川副市長)学長、学部長、教員の代表者、庁内関係局長が、学内での検討も踏まえ「大学整備・改革基本計画(仮称)」の策定にむけ、精力的に議論している。公立大学法人の制度設計や老朽化している教育研究環境の整備等の基本的方向を盛り込むことにしている。

右京区京北地域の「遠距離通学費支給事業」の継続を
 最後に。右京区京北は来年4月で、合併から5年が経過します。

 合併前、当時京北町が実施していた事業のうち94事業が廃止されました。経過措置が設けられた事務事業は、14事業です。国民健康保険事業は保険料が低く抑えられていました。しかし、合併からの「経過措置」は、07年度末をもって適用されなくなり負担が増えています。

 京北は、「京都市・京北町合併建設計画」及び「京都市過疎地域自立促進計画」などをもとに事業が進められていますが、これらの計画の折り返しの時であります。

 農業、林業振興や高齢化対策、病院存続などさまざまな大きな課題が指摘されています。さらに危ぐされているのは、京北地域の人口の減少に歯止めがかからない事態です。

 井戸の地区では、「かつては、数十人の子供がいたが、今は小学生2人、中学生1人となり集落の将来がなくなる」、などお話を聞きました。京北の少子化対策は将来の街づくりの点でも重要な施策であります。

 子どもたちを学校に通わせているみなさんから話をお聞きしました。「遠距離通学の援助がなくなれば、負担が増えるので是非、残してほしい」というものです。

 そこで、一端廃止された「遠距離通学高校生通学費補助事業」は京都府にも働きかけて存続すべきであります。5年間の「経過措置」とされていて、来年度廃止予定の、「小学校遠距離通学費支給事業」および「中学校遠距離通学費支給事業」は、本市が責任をもって、新年度以降も実施を継続すべきです。お答え下さい。

 このことを求めて私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。

答弁(教育長)花脊地域の学校統合を契機として平成19年から無償とした。この措置に準じ、京北地域でも合併以前からの経過をふまえ、スクールバスの無料運行とスクールバスの代替え利用される路線バス運賃の全額補助を継続する。

(更新日:2013年12月08日)

11月定例市会 代表質問

2013年12月2日、定例会代表質問要旨

右京区選出の西村善美です。私は、日本共産党市会議員団を代表して、市長に質問します。
 まず、台風18号災害の支援について、です。
 9月15日から16日にかけて、台風豪雨により京都市内に大きな被害が広がりました。『避難勧告』や『避難指示』が出され、多くの市民が早朝・豪雨の中、避難をされました。改めて、懸命な災害救援・復旧活動にあたられた本市職員、消防団、水防団、自主防災会、連合会、町内など、関係者のみなさんに心から敬意を表し、被災された方々にお見舞いを申し上げます。日本共産党市会議員団は、全ての被災者の救援と被災地の復興を求めるものです。
 今回の台風災害は、被害の大きさと共に、これまでにない新たな様相と特徴を示しています。また、地下鉄が4日間ストップするという新しい都市型災害の発生もありました。これらの万全な対策が必要となっています。
 雨は48時間降り続き「広範囲・長時間継続型大雨災害」の状態で、あまり経験したことのないものとなりました。重要なことは、今回の豪雨は、例えば桂川が溢水(いっすい)氾濫するギリギリまで雨が降り続いたことです。このことから、現在の治水・防災対策について、見直しが強く求められています。
 地元右京区の課題について質問します。今回の被害が大きかった嵐山地域は、5年に一度は浸水被害が発生する地域と言われてきました。梅津地域でも、過去に大雨により有栖川の周辺などが冠水しています。今回200軒が浸水した梅津地域では、関係者のみなさんから、「桂川が溢れていれば更に被害は拡大していた」。「桂川、有栖川、周辺水路などの浸水対策はこれでいいのか不安だ」、などの声が上がっています。安心・安全なまちづくりのためにも、台風被害について検証し、万全な対策をすべきです。右京区・西京区に架かる上野橋の高さは、1975年当時10㍍ありましたが、台風18号直後は高さが6㍍となっているところがあります。桂川は土砂の堆積が進み、計画流量に届かなくなっているのであります。また、使われてない梅津橋樋門、土砂の詰まった樋管、機能していない南梅津橋の堰などがあり、水害対策への影響が懸念されます。そこで梅津地域の今後の浸水対策は、この地域に雨水貯留施設や有栖川にポンプ排水機能を備えること。また、根本的対策として、桂川の浚渫や井堰の見直しが必要となっていると考えます。桂川の対策については、国や京都府などへ河川の改修と管理強化を強く働きかけるべきであります。そして、地域に張り巡らされた水路や側溝などの再整備も含めた、周辺地域の総合的な浸水被害対策をすすめて、市民の命と財産を守るべき取組を強化すべきです。この取組についてお答え下さい。

答弁(平口副市長)国が管理している桂川や府が管理する河川の浚渫や中洲の樹木の伐採など、対策の実施を強く要望するとともに、京都府の河川担当部局と協議を行い、浸水被害を最小限にとどめる対策について、検討を行っている。
 今回、浸水被害があった梅津都市下水路の周辺地域については、水路や側溝等の現状把握や、現況の流下能力などの調査を実施し、浸水原因などを把握したうえで、抜本的な浸水対策の検討を今年度から来年度にかけて行う予定。

 次に、災害を教訓とした本市の危機管理について、質問します。
 このたびの豪雨台風では27万人に避難指示が出されました。その避難所である梅津小学校、嵐山小学校は、当時増水していた桂川のすぐそばにあります。住民に避難指示が出された明け方には既に道路は冠水していました。梅津小学校では、大雨のなか16世帯・20人のみなさんが学校へ避難されました。桂川が、堤防ギリギリまで増水していた午前8時ころ、「日吉ダムの放水情報」が入り、避難所のみなさんや現地にいた私たちにも緊張が走りました。午前11時25分、「同」ダムが「洪水時最高水位」を超えたため、大量放流を始める緊急操作が開始されました。このとき、桂川の水位は、堤防道路の間際まで増水していました。こういう危険なダムの大量放流の影響と対策などについては、市長のもと災害対策本部を開いて安全確認をすべきです。しかし、災害対策本部の会議開催は、ダムが既に放流を開始しているお昼12時に1回開いただけでした。ダム放流について桂川一帯の危険性は認識していましたか。また、河川近くの避難所のあり方について見直しを求めます。お答え下さい。

答弁(危機管理監)桂川上流域の日吉ダムについては、国土交通省等に最大限まで貯水するなど放流調整を強く要請し、懸命の取り組みを頂いた結果、堤防決壊や浸水被害の軽減を図ることができた。
 避難所については、一部で浸水しやすいところがあることから、水害発生時の避難所の見直しを進める。

 次に、市民に対する災害情報の伝達についてです。
 特別警報が出された自治体は、住民への迅速な情報の周知が義務付けられています。多くの人から「深夜でもあり、避難等の情報が判らなかった」、「そもそも避難を呼びかける広報もなかった」、「情報がない中で、家が浸水し始めたので、あわてて逃げた」。一人暮らしい高齢女性は、「自力で避難できなかったので近所の人が背負って出た」などと話していました。
 京都市の情報を得ようとパソコンを開いても、「京都市の防災ポータルサイトにアクセスできなかった」とか、「区役所のサイトにも何も書いてない」の声がありました。災害時には、「自分のことは自分で守る」ことを強調しています。しかし、災害のポータルサイトがパンクし市民が長時間に亘って情報がアクセスできなかったのです。こういう事態を想定していましたか。課題を解明して、すべてのみなさんに災害情報を提供する対策をすすめるべきです。答弁を求めます。

答弁(危機管理監)アクセスの過大な集中により一時的につながりにくい状態となったため、専用回線の利用やサーバーの補強について、現在契約手続きを進めており、1月中には運用を開始する予定。

 次に、「台風18号にともなう京都市内の被害状況」を知らせる広報についてです。
 私は、右京区高雄の住民から台風被害の連絡を受け、そのことを複数の関係機関へ伝えました。ところが京都市が発表している「広報」には高雄の台風被害についてカウントされていませんでした。災害時の被害情報は正確に伝えるとともに直ぐ広報すべきです。広報の改善を求めます。要望しておきます。

答弁(危機管理監)被害情報については、自主防災会、消防団、水防団、自治会等のご協力も得ながら、より迅速かつ正確な情報収集と広報が実施できるように改善・充実を図っていく。

 伏見区小栗栖排水機場の問題について質問します。
 浸水被害検証委員会は、「管理者として京都市の責任を明確にし、浸水被害者に対して真摯な対応を強く要望」し、「市全域にかかる浸水予防対策」を求めています。
 市民の命と財産を守る市排水機場は、委託業者任せにせず、京都市が責任を持って管理する事こそが必要となっていますので、管理体制の見直しを求めます。
 また、被害にあわれた住民から「早く元の生活に戻してほしい」「未だに補償の金額が判らず修理を業者に発注できない」「補償を早急に終えてほしい」と声が寄せられています。被害に遭われた全てのみなさんの保障を早急にすべきです。いつまでに終えるのか明らかにすることを求めます。お答え下さい。

答弁(門川市長)浸水被害の発生を重く受け止め、再発防止のため、民間業者に委託している主要な10排水機場の監視体制について、早急に見直すよう指示したところ。本市職員による抜き打ち検査、運転状況の連絡のルール化、委託職員の配置予定者の増員など改善、強化を図った。本市が自ら排水機場を一元的に把握する集中監視システムを構築する。
 建設局内に18名の対策チームを設置、被害に遭われた方々一軒一軒を訪問し、賠償額に合意頂いた方には、可能な限り年内に仮払いを行う。

 次に、京北地域の災害復旧と今後の支援について質問します。
 京北の住民の皆さんから、台風18号の災害復旧対策とともに、今後のまちづくりについて不安の声が上がっています。本市会に補正予算に上がっている場所以外に、例えば浅江(あざえ)町の橋りょう復旧、小塩町の流された二つの橋に代わる今後の対策など、さらなる復旧対策が必要となっています。これらは日常生活や農林業に利用されているもので、早期の復旧が求められています。地元の皆さんから、「まだ復旧事業に取り上げられていない個所はどうなるか心配している」と言われています。また河川改修工事は「来年の鮎の漁業解禁時までに工事ができないと漁業に影響が出る」と言われています。一方、農林被害について、「次の作つけ時期までに田畑は整備できるのか」などの不安な声が寄せられているのです。京北における農林復旧事業の実施数は156件ですが、激甚災害指定で復旧できるのは11件です。ある農家組合では「被害の全部を申請するように言われても結局地元負担は残るので諦めたところもある」と言われました。災害復旧事業について、地元負担が重くのしかかっています。認識と対策をお聞きします。また、災害復旧事業は、「これで終わり」とせず更に調査をすすめながら、住民や団体のみなさんの意見を充分に聞きながら取り組むべきです。合わせてお答え下さい。

答弁(塚本副市長)農地、水路、林道で、国庫補助事業の対象とならない被害の復旧についても、本市独自の支援を行う。さらに、農業用施設の被害復旧についても、独自の補助率上の乗せを行う。農業用機械の更新等についても、本市において新たな助成制度を創設する。
 また、橋梁の復旧については、地元や関係機関のご意見もお聞きし、予算確保を含め、その対応を検討することとしている。今後とも、引き続き、地域の農家組合や森林組合と協議しながら、復旧が完了するまで、きめ細やかな支援をすすめていく。

 合併から10年を迎えようとしている京北の支援について質問します。
 この度の災害復旧事業は、旧京北町と交わした『合併建設計画』が終わろうとしている時期と重なります。住民からは「あと1年少しで合併10年だが、今後の京北の将来像が全く見えない」と言われます。災害復旧対策とともに、これからの京北のまちづくりを指し示すこと、これが京都市の責務となっています。
 振り返れば、地方分権の名のもとで進められた市町村合併の後、農村地域では大きな課題に直面しています。合併直前の京北町職員は175名いました。現在京北支所の職員数は土木事務所も含めて35人と旧町の時から少なくなりました。当時は周山町には、京都府京北地方振興局職員が100名で、これらのもとで国道、府道、町道路、河川、農林基盤整備などとともに、教育や福祉、産業振興などきめ細やかな取組がすすめられていました。これらが2005年の合併を境に、府の振興局は撤退し、京都市が多くの施策に責任を持つこととなりました。合併で職員が減らされただけではありません。国保京北病院はその後法人化され、各地にある4つの診療所は「存廃の危機」に直面しています。そして、最近は、住民の貴重な交通手段である「ふるさと公社バスの補助金見直し」まで言われている事態であります。右京区京北は京都市と合併しても、地元産業の厳しい実態や少子高齢化と人口減少に歯止めが効かない現状にあります。そのもとで、今後の京北のまちづくりが大変大きな課題となっているのであります。
 市町村合併という流れで都市と合併した農村では、従来の町村役場が支所となり、その人員と機能の縮小が進められ、今後は、道州制の導入で都道府県の廃止や統合がおこなわれ、再び市町村合併を呼び込む可能性が高いのであります。こういう中で、京北はあとわずかで「合併建設計画」が終了しようとしているのです。
 そういう時期であるからこそ、地域が抱える課題に応える基本計画をつくり、京北地域の将来を見据えた新たな対策が必要です。少子高齢化や人口減少対策、産業振興や将来のまちづくりなどについて、どのように取り組もうとしているのですか。お答え下さい。

答弁(藤田副市長)京北地域の合併以降、幹線道路や水道施設、道の駅、農業振興や林業振興等事業の実施、さらには京北トンネルの開通するなど、地域活性化の基盤となるインフラ整備は大きく進展した。今後とも、地域の皆様自身による自主的な取り組みをしっかりと支援し、今後策定予定の新たな過疎地域自立促進計画においても、更なる産業振興や定住促進など、京北地域の将来を見据えたまちづくりを目指していく。

 次に、消費税増税中止と産業振興・地域経済活性化対策についてです。
 11月に京都中小企業家同友会が発表した、市内企業を対象とする「景況調査報告書」によると、「京都経済は本格的な景気回復の動きがみられるが、円安や資源高が続き、世界経済情勢が不透明なままで、TPP拡大交渉の進捗状況や消費税増税への対応を含めて、先行き予測が難しい状態である」と分析しています。「アベノミクス」により何らかの「好影響」があったと回答した企業は全体の2割で、回答企業の約7割が「影響なし」と答え、中小企業への波及は限定的であることを示しています。それどころか、消費税増税への具体的対応について、半数の企業で商品やサービスへの増税分の価格転嫁が難しいと答えています。こうした状況のなか、来年4月の増税で景気も雇用もいっそう厳しくなることは、過去の増税の経過をみても明らかであります。
 増税されれば、市税収入の更なる悪化を招くことになります。財政悪化となれば、更に市民負担を増やし、サービスを切り捨てることになるのです。くらしを支え、市民サービスを維持して行く為には、国に、「消費税増税は中止をさせる」こと、これこそ最大の景気対策であります。
 消費税増税によって市民や中小業者、市財政に、どのような影響があるか具体的にお答えください。市民の生活を守るため、今からでも消費税増税中止を国に迫るべきです。お答え下さい。

答弁(財政担当局長)今回の消費税率の引き上げ実施に当たっては、簡素な給付措置や法に基づく円滑・適正な転嫁のための対策等、低所得者や中小事業者への影響を最小限にとどめる対応策を十分講じたうえで行われる。国の経済成長を実現する施策が、本市においても、経済の活性化や、安定した雇用の創出、所得の増加につながるよう、経済界等とも連携し、必要な政策を推進していく。

 次に、市長が選挙公約で確約した公契約条例についてです。
 公契約条例の制定を表明してから2年が経過しました。この間、3つのワーキングチームが設置され検討がすすめられています。そして、市内企業へのアンケートも行われています。しかし、市長がいつまでに条例を制定するのか見えてきません。
 全国で最初に最低賃金を盛り込んだ公契約条例を制定した千葉県野田市では、最低賃金ぎりぎりであった業務委託の賃金が時給で100円アップしました。川崎市でも事務の臨時職員の賃金が引き上げられています。このように公契約条例によって賃金等の労働条件の改善の効果が確認されています。そして、各地の自治体で公契約条例を制定また検討に着手したところが増えています。
 公契約条例がめざすものは、公正な競争であり公正な労働環境の実現でもあます。これらの実現は、自治体が発注した仕事に従事する労働者の生活に寄与するものであると同時に、むしろ地域の事業者にとっては、経営の安定などのメリットが大きいのであります。そして、自治体にとっても、公共サービスの質や安全を確保することができるのです。さらには、税収の確保という点でも効果があります。
 公契約条例はいつまでに制定するのですか。市内地域経済の循環を促進し、そこで働く労働者の賃金を確保する内容の公契約条例を一刻も早く制定するよう強く求めます。市長の決意をお聞かせ下さい。
 以上で第一質問を終わります。

答弁(財政担当局長)京プラン実施計画の年次計画で、平成27年度までの条例制定を明記。今年度は、庁内検討会議で検討、条例制定に向けた課題等を中間報告として取りまとめた。他都市調査や事業者3千社を対象としたアンケートを実施しており、今後、学識経験者、業界及び労働界からの意見をお聞きし、検討を深めていく。

第2質問
 伏見区小栗栖排水場について市長から答弁がありました。周辺で浸水被害が起こっている時、ポンプ場がどうなっていたのか、京都市は全くつかむことができませんでした。ポンプ場について、名古屋市は直営です。ここでは「住民の安心・安全のため、万が一の時のバックアップ体制と人材の確保」をし、親ポンプ場で24時間監視・制御が行われています。この点で本市の排水機場は、本市職員が直接監視するなど、体制の見直しを行うべきです。
 京北の今後について質問しましたが、具体的な施策は示されませんでした。ある研究者が実施したアンケートによると、住民が求める支援として高い分野は、農林業支援、都市基盤整備、公共交通や医療の充実などです。京北地域は、住民支援こそ強化すべきです。
 このことを述べて、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

(更新日:2013年12月06日)

2012年10月1日代表質問

2012年10月1日代表質問

右京区選出の西村よしみです。私は日本共産党市会議員団を代表して市長に質問します。

中小企業振興条例を制定して、産業振興の強化を

 2011年は、東日本大震災や原発事故という未曽有の災害や円高などで、市民のくらしも様々な影響を受けました。こういうときこそ全力で市民の命を守り暮らしを応援することが大変重要です。
 2011年度決算について市長は、2007年度決算で373億円あった連結実質赤字を「解消した」と報告されました。しかしこれは人件費や市民サービスなど市政のリストラをすすめた結果の「赤字解消」とも言えます。市民のくらしがどんなに大変な状況なのか。例えば、暮しや経済活動のバロメーターである市税収入をみると、2008年度は2664億円、2011年度は2486億円と、4年間で178億円も大幅に減りました。このことを見ると市民のくらしは厳しい状況が続いていることがわかります。
 しかし「京プラン実施計画」では、「その重点戦略の推進による担税力の強化」をあげ、強調されているのは、「国における社会保障と税の一体改革など地方財政制度全般にわたる改革」を頼りにしています。これは、まさに消費税増税の負担を前提とする計画であり、くらし破壊の方向であります。
 税収が減った背景には、非正規雇用の増大や円高、長引く不況など、中小企業の厳しい経営状況があります。こういう時期だからこそ、地域経済を底から温め、雇用を確保し、市民の暮らしを守ることが重要です。京都の地域経済を支え、雇用を創出する、ものづくり産業や広い中小企業、伝統地場産業、商店街振興などへの新たな支援が、これまでにも増して必要な時代となっています。中小企業は、市内企業の99%を占め、雇用の70%を担い、京都経済の中心的役割を果たしています。その特色は、伝統産業や高い技術の物づくりが中心であります。日本経済が長期低迷するなか京都市はいまこそ中小企業の位置付けを更に高め、支援を強める必要があります。
 しかし、京都市はこの間、市が直接責任を担ってきた中小企業支援制度を、次々と後退させてきました。
 例えば、市内中小企業に対して直接金融支援をしてきた「直貸制度」をなくし、今年はとうとう、京都市中小企業支援センターの「相談窓口」を経済団体へ移管してしまいました。これでは中小企業への直接支援と言えません。行政の効率化だけでありませんか。
 さらに京都市は今後、京都のものづくりの技術支援の拠点である「京都市産業技術研究所」について、利用者である中小企業も参加しない「あり方検討委員会」のもと、職員の多くの疑問や不安があるにもかかわらず、地方独立行政法人化を強行しようとしています。また、市内企業の研究・開発拠点でもある高度技術研究所については、府の機関との「統合」まで言われているのであります。
 市内の中小企業が、直接相談を受け、直接アドバイスするこれらの大切な制度をなくすことは、京都市の物づくり支援の拠点を弱めることになり、すすむ方向も、やり方も大変問題であります。
 だからこそ、中小企業を社会の主役と位置づけ中小企業の支援を一貫して推進するための条例が今こそ必要です。わが党議員団は、市内中小企業が京都の経済や雇用などに中心的役割を担っている重要性にかんがみ、中小企業に対する位置づけを高め、本市の責務を明確にする、「京都市中小企業振興基本条例」の制定を求めています。
 国では「中小企業憲章」が閣議決定され、全国でも同条例の制定が広がっています。本市でも市内中小企業団体を含めた「条例検討会議」を早期に立ち上げ、そのうえで京都市中小企業基本条例の制定をめざすべきです。お答え下さい。

(塚本副市長)地域経済の担い手である中小企業の活性化は、京都産業の振興にとって大変重要。「京都市新価値創造ビジョン」に、中小企業憲章の理念を盛り込んだ。厳しい経営環境にある中小企業を支えるため、府市協調の制度融資などを行ってきた。今年度から、商工会議所と一体に経営支援体制の構築や知恵産業の創出を支援する補助制度の創設など、経営改善から新商品開発や販路開拓まで支援を実施している。
 さらに中小企業振興基本条例を制定することの必要性については、他都市における条例制定の効果、事業者の声等を踏まえた十分な検討が必要であると考えている。

公契約条例の早期制定を

 次に、公契約について質問いたします。
 昨年度、最低制限価格での落札件数は381件、低入札調査件数は21件あり、内12件が失格となりました。公共工事での低価格入札が依然として少なくありません。
 京都地方労働組合総評議会(京都総評)は昨年、京都府下の企業や労働者に対して「公契約に関するアンケート」を実施しています。例えば、公共事業や業務委託などを落札した結果について、「赤字となった事業がある」と答えた企業は40.5%。「適切な金額の契約が結べなかったため労働者の賃金や労働条件を切り下げざるをえなかった」と答えた企業は38.7%という結果です。そして、労働者側のアンケート結果でも、労働条件が悪く変わったと答えた人は35%もいます。これらを見ると、公契約にかかわる低入札によって、企業経営の悪影響と労働者の低賃金という実態が浮かび上がっています。
 このアンケートで経営者は、「公共事業が減少するなか、低価格での落札は、人件費の削減や原材料の悪化につながり、受注者・発注者ともにプラスにならない」と言います。
 京都市が発注する委託や請負などにかかる費用が、単純に「安ければよい」と言うものではありません。公共事業の品質確保や行政サービスの適正確保が必要です。受注した企業が健全に育ち、雇用の安定につながり、税が有効に活用され、地域経済に循環しながら社会に生かされるものでなくてはなりません。この問題を改善するための対策が必要です。
 特に賃金の問題です。京都市が発注する工事の賃金については、二省協定単価にもとづいて計算しています。全京都建築労働組合が実施したアンケートによると、2011年度の設計労務単価の全職種平均は1万7139円ですが、公共工事従事者の賃金は1万3451円となって約3700円低くなっています。働くみなさんの賃金にしわ寄せが行き、安定雇用にも影響しています。労務単価が下請けを含めて守られているのか検証することが必要です。労務単価が下請け労働者を含めて守られるよう、実効性を確保すべきです。お答え下さい。
 また、市長が「制定を目指す」と答えてきた「公契約条例」ですが、庁内検討会議を立ち上げたものの、条例制定のための審議会も予算も全くありません。
 京都市が制定をめざす公契約条例については、市が発注する事業等は市内業者に優先発注すること、地元資材の優先使用をすること、賃金および労働条件の適正化などを盛り込み、地元中小企業と市民の暮らしに役立つ公契約条例にすべきであります。そのため早急に、業界および労働界の代表も参加する公契約条例制定検討会を早急につくることを求めます。

(市長)公契約基本条例制定に向けて、すべての関係局が参画し、政策推進や入札・契約等の3つのワーキンググループからなる庁内検討会議を設置した。他都市の事例もきわめて少なく、関係法令との整合性や条例の実効性の確保など課題の検証も必要となっている。
 拙速とならないよう、今年度は庁内で条例案の検討を深めたうえで、学識経験者や業界、労働界をはじめ、幅広く市民の意見を聴き、全国のモデルとなるような条例を目指していく。

金融円滑化法の継続を求め、金融機関への対応強化を

 次に、中小企業の金融支援について質問します。
 国の金融円滑化法の問題でありますが、「同」法は今年度末までで終了となります。経済総務委員会の質疑で、金融円滑化法については、「地元中小企業が地元銀行を利用し、その実行率は93.5%となり全国平均より高い」との答弁がありました。厳しい経営状況のなか、多くの企業が利用し、事業と雇用を守ることができたのです。
 しかし、同法の終了を間際にして行なわれようとしているのは、「出口戦略」と言われて、金融機関によるコンサルティングの発揮や経営改善の指導、すなわち「事業存廃の判断の強化」とも言われています。このことが企業の先行き不安を招いています。
 全国商工団体連合会は「金融円滑化法の恒久化」による資金繰りの円滑化を求めています。東京商工会議所の「中小企業金融に関する調査結果」によると、円滑化法終了後、約6万~8万社以上の中小企業に格付け引き下げが行われ、資金繰り悪化、事業縮小などの影響が出ると報道されています。大きな影響が懸念されています。「同」法の果たしてきた役割をどう認識しているのかお答えください。また、制度をさらに継続するよう国に求め、貸渋り・貸しはがしを強化しないよう地元金融機関に対して要請すべきであります。お答え下さい。

(産業観光局長)金融円滑化法は、条件変更等の実行率が9割を超えるなど、中小企業者の資金繰りに大きな役割を果たしてきた。しかし、経営状況に改善が見られず、企業の体質強化にはつながっていない側面もある。国に対しては同法終了後の支援の充実を要望している。府や京都商工会議所と連携し、中小企業の経営課題の解決にむけ取り組んでいく。
 地元金融機関に対して、引き続き中小企業の資金需要に対するきめ細やかな対応を要望している。

商店街振興について

 商業振興につて質問します。
 商業統計の1991年と2007年を比較すると、市内全体の小売店舗数は6377店舗、27.3%も減少し、年間販売額も1209億円と5.7%減少しています。この間の市内の人口は1万4千人増えているにもかかわらず、小売店舗数も販売額も減少しています。これらの背景には、もちろん経済的要因や社会生活の変化もありますが、商店街をとりまく環境が厳しいとき、本市の商業振興予算は削られています。
 1990年度から22010年度の予算を比較すると、京都市全体の予算は1.5倍に増えているにもかかわらず商業振興費の推移を見ると、1995年度が5億2000万円で最高だったにもかかわらず、2007年は1億1600万円と最低になり、低い水準のままです。とりわけ、商店街等支援事業費はこの10年間で67%も大幅に削減されています。
 商店街は、地域住民の暮らしを支えコミュニティーの場でもあり、まさに地域を象徴する身近な存在です。私は、商店街・小売店を「地域の共有財産」と位置づけ、その役割にふさわしい振興対策が必要だと思います。そのためにも商店街振興対策の施策を拡充し、そのための予算をしっかりと確保すべきです。そこで、市内商店街でシャッターを下ろしている空き店舗の活用を推進するため、新規開業者に対して、空き店舗の家賃・改装費などへの補助制度を創設することを求めます。お答え下さい。
 また、商店街の存在に大きな影響を与えているのが大型店です。
 大型店の身勝手な出店・撤退は、地域の商店街・小売店を衰退させ、各地で「買い物弱者」を生むなど、地域の存亡にかかわる問題を引き起こしています。
 大型店の売り場面積は10年間で1.5倍に増えました。売り場面積や、営業時間の拡大傾向が進み、地域商店街との競争も激化しています。
 京都市は、大規模小売店舗立地法について、「周辺生活環境保持の機能を果たしている」と評価し、京都市商業集積ガイドプランについては、「商業集積の適正な配置に大きな効果を上げている」と推進しています。しかし、これらは事実上の大型店誘致の制度になっていて、地域の商店街が疲弊する原因となっているではありませんか。
 「商業集積ガイドプラン」は撤回し,「京都市まちづくり条例」は大型店出店を規制するものに見直し、大規模小売店舗立地法は需給調整が可能となるよう国に求めるべきであります。お答え下さい。

(塚本副市長)空き店舗の活用推進にむけ、福祉施設やコミュニティスペース、交通観光案内所設置など、幅広い事業に、ソフト・ハード両面から支援してきた。今年度から、京都商工会議所と連携し、中小企業経営支援センターで、空き店舗に出店する事業者への経営相談等を実施している。
 他府県では大型店の出店により、商店街が疲弊する例も見受けられる中、「京都市商業集積ガイドプラン」が商業施設の適正な配置に大きな効果を上げてきた。撤回すれば、無秩序な商業開発を招きかねない。

雇用対策の促進を

 雇用の問題について質問します。
 働く皆さんの雇用は大変厳しい状況です。とりわけて若者の非正規雇用率は、全国で5割、京都市内では6割にもなっていて、低賃金と劣悪な労働環境で働く若者が増えています。このことは、家庭を持つことさえ困難となり、社会構造に歪が生じることになります。これでは安心できる社会とは言えません。現在と将来を担う若者の雇用実態を改善することが何よりも大切です。
 若者の非正規雇雇用がひろがった原因は、労働者派遣法の制定、改悪により規制緩和が進み,正社員の多くが派遣労働やアルバイトなどに置き換えられてきたことにあります。
 「大学を卒業したが就職先が見つからず、アルバイトをして生活している」とか、「正社員の仕事がほしい。サービス残業をなくしてほしい」などの声を、私も多く聞いています。
 9月に公表された、文部科学省の学校基本調査によると、今春、大学を卒業した約56万人のうち、非正規雇用または未就職など「安定的な雇用に就いていない人」が約13万人にのぼり、ほぼ4人に1人の割合となることが分りました。
 京都では、安定的な雇用に就いていない大卒者は、23.9%で全国平均を上回っています。深刻なのは、全国で10代から20代の若者で「就職難を理由とした自殺者」が4年間で2.5倍と急増したことです。
 日本社会の今と将来を担う若者たちの深刻な状況は、日本の経済や社会の活力低下を招いており、その対策の強化は喫緊の課題となっています。若者の雇用条件を改善するためには、労働者派遣法を抜本的に改正し、正規雇用があたりまえという「雇用を守る」ルールを確立することが必要です。また、本市としても、若者の雇用を確保するために、あらゆる手だてを尽くすべきです。
 そこで、本市の雇用対策担当部門の体制を拡充すること。若者や新卒者などについては、正社員として雇用確保を進めることを基本にして、京都府、産業界とも一体となった取組を進める事を求めます。また来春の新卒時期に向けた就職率向上の取り組みを京都市として強化すべきです。併せてお答え下さい。

(市長)若者の雇用環境の改善は、日本の未来にとってきわめて大切な課題である。京都市フルカバー学生等就職支援センターの設置や、WEBサイト「京のまち企業訪問」を開設した。サイトには、2100社を上回る京都企業の情報を発信し、1日平均5000件のアクセスがある。合同・個別大学での企業説明会も予定している。オール京都体制の支援として、本年5月にすべての経済団体や行政機関などが参画する「京都府中小企業人材確保・定着支援事業協議会」を設立、セミナーや大学との交流会を開催し、京都企業への就職と定着を推進している。

 次に「雇用対策特別事業」について質問します。
 厳しい雇用問題に取り組むため2008年度から始まった国の緊急雇用対策事業は、2012年度末で終了しようとしています。実施された、ふるさと雇用事業は「地元企業への就職支援」のため、緊急雇用創出事業は「解雇された失業者を救済する」などの目的でおこなわれてきました。
 本市の雇用対策事業特別会計を見ると、2011年度が27億2600万円、4年間で予算額は83億6400万円、雇用人数は7350人を確保しています。就労の内容も、森林の整備など産業観光局をはじめ多くの所管局にまたがっています。これまでわが党議員団は、これらの雇用対策事業については、雇用の継続化と常用化など求めてきました。しかし、国の事業が今年度末で終了すれば、雇用の継続どころか、4年間で83億円あった経済効果と雇用が失われ、市民にも地域経済にも大きな影響を与えることになります。
 緊急雇用対策事業の終了で、これらの雇用と経済効果が失われることに対して、本市への影響をどのように認識しているのですか。国に対しては雇用対策事業の継続を求めるべきです。国の事業が終了した場合でも、本市が進めてきた雇用事業を継続して、雇用確保に努めるべきです。お答え下さい。

(市長)緊急雇用対策事業は、雇用情勢の改善に寄与してきた。引き続き、国に対して事業の実施延長や財源の積み増し、さらには新たな事業の創設を積極的に働きかけている。国の事業が終了した場合も、国や府、経済団体などと一体となって、これまでの実績を生かした雇用対策を検討していく。

市内産木材の普及で、林業振興を

 次に林業支援についてであります。
 森林における役割は、産業振興とともに国土の保全、環境や景観を守る大切な役割があります。これらの重要な役割を担っている京都の林業も、経営が成り立たない様な厳しい状況が続いています。そのなかでも京都の林産物を代表する北山丸太は、外国産材の輸入増加や生活様式の変化などによって、生産は下降の一途をたどり、生産者も減り続けています。この北山丸太は、北区、右京区などを中心に生産され品質も保障された京都を代表する特産物であり支援の対策が求められています。
 京都の林業を代表する北山丸太の生産組合などのみなさんのお話を聞きました。
 出荷まで30年から50年かかる北山杉は、大変な山林作業に支えられて育てられますが、森林の育成・整備をすすめるためには、熟練の技術を持った山林労働者が必要です。しかし、これらの人たちの高齢化がすすみ、ベテランの山林労働者は減少していて、担い手を育てるのも一苦労と言われています。
 林業家にとっては、木材が低価格化により経営が厳しく、整備に必要な山林作業も負担となり思うように整備を進めることが出来ないのが現状です。しかし困難になるなかでも、補助事業も活用しながら新規就労者を確保し森林整備に取り組んでいます。
 最近、補助事業でベテラン山林技術者が指導をし、山仕事の経験の無いみなさんが大変意欲的に取組み、技術を身につけ地元に再雇用された人もいるとお聞きしました。林業技術者を育て技術を身に付け、枝打ちなど森林整備を進めていくことは大変重要となっています。そこで、京都市は北山杉を含めた、市内産木材の普及・拡大を今後どのように進めていくのですか。また。これまで緊急雇用対策事業として行ってきた森林整備や、担い手づくりの取り組みをさらに進めるよう求めます。お答え下さい。

(産業観光局長)京都産を表示する「みやこ杣木認証制度」の創設、住宅リフォームの際に市内産木材を提供する取り組み、木材の情報発信を行う「京の山杣人工房」の設置、学校施設や市庁舎等の公共施設への使用など、市内産木材の普及・拡大を図ってきた。インターネットを活用、市内産木材の情報を発信するとともに、北山丸太については、高級家具など新しい用途の開発に取り組む。森林整備や担い手支援など、地域林業の活性化に不可欠な施策については、今後検討をすすめていく。

京北の地域おこしの取り組みへの支援を

 最後に、京都市へ合併して7年が経過した右京区京北の取組について質問します。
 1955年京北町発足当時の人口は10582人でしたが、2012年9月現在の人口は5449人となりました。農林業など基幹産業の衰退や少子化が進み、人口は急速に減少して、高齢化率は35%と高くなっています。豊かな自然と魅力ある地域を守り、さらに次世代へ引き継いでいくことは本市の大きな役割です。
 京北ではこの状況に負けない地域住民の元気なまちづくりがさまざま取り組まれていて、その支援に向けた対策が重要となっていています。そこで「地域おこし」の取り組みについて質問します。
 京北のみなさんは、廃校となった小学校を活用して各地で「地域おこし」をすすめようとしています。例えば京北黒田では、地域の活性化をすすめるための活動拠点をつくり、そこを中心とした町づくりをすすめる「新黒田村構想」をつくりました。住民が明るく元気に活気ある暮しができる里に、地域に豊かな恵みを取り戻し、子や孫に誇りを持って引き継げる黒田村を建設しようと”小さくても輝く村”を目指しています。この「新黒田村構想」の活動拠点として元黒田小学校を活用する計画です。ここには、学習室、特産物開発室、あるいは福祉健康教室、姑・嫁料理研究室など作る計画がされて、さまに地域住民の夢が広がる拠点づくりです。
 しかし、元小学校の校舎を活用するにも施設を改装することは自治会では限界があります。各地で始まっているこれらの取り組みが元気な京北のまちづくりになろうとしています。新しくはじまったこれらの元小学校を活用した「地域おこし」の拠点づくりを応援し、魅力あるまちづくりをすすめるため、京都市が直接応援すべきです。
 認識と考えをお答え下さい。
 以上で、私の質問を終わります。

(塚本副市長)京北地域では、花降る里けいほくプロジェクトなど、地域が主体となった様々なまちづくりの取り組みが積極的に展開されている。京北自治振興会が中心となり、「京北地域元小学校活用検討委員会」を設置、閉校となった黒田、細野、宇津の3つの元小学校跡地を地域住民全体の活性化拠点とする活用案が提出された。今年度創設した右京区役所の区民提案型まちづくり支援制度による、地域への取組助成をはじめ、関係局が連携し、地域の活性化に向けた自主的なまちづくりを支援していく。

(更新日:2012年10月02日)

2007年5月29日代表質問

右京区より選出されました、西村よしみです。日本共産党市会議員団を代表して市長に対して質問します。
 わたくしは、日本共産党右京区生活相談所長として、市民のみなさんの「困りごと」や「暮らしのこと」、「地域要求」などお聞きをし、問題解決に取り組んでまいりました。最近は「市民税が高くなった」「国保料や介護保険料などが増えて生活が苦しくなった。どうにかして欲しい」とのご相談が増えました。わたくしは、このような市民のみなさんのご意見をしっかりと受け止め、今までの経験を生かして、くらし・福祉の向上や街づくりに力をつくす決意であります。

施設入所待機者の実態を把握し、サービス基盤拡充を
 まず、介護保険について質問します。
 私は、83歳の女性から「主人の介護が大変で、助けてほしい。また介護保険料が高いので安くしてほしい」との相談を受けました。
 81歳の夫は、介護認定は 要介護3でした。自力で立ち上がれず、寝返りも自分では出来ない状態でした。介助されて立っても今にも崩れ落ちるような身体です。自宅で介護を支えるのは、83歳の奥さんお1人だけです。
 ディサービスやショートスティなど在宅サービスを利用し、病院からは、「訓練すればもっと歩行もしっかりするから、家庭でも歩行にこころがけて下さい」と指導を受けていました。訓練を重ねているが なかなか歩行の改善は見えません。
 奥さんにとっては食事介助から、排泄処理、家事など1日の介護は大変な重労働です。食事の支度も苦痛になり ご主人が介護施設に行っているときが唯一息ぬきできる時間です。奥さんは、やがて介護で疲れてしまい、も体重が元気なころから15キロ減り、精神的にも追い詰められていきました。
 そして 今年2月はじめ、残念なことですが、ご主人は突然「容態」が急変して 病院に搬送された翌日にお亡くなりになりました。「早く施設に入りたい。そうすれば妻にも重い負担をかけないですむ」との願いが叶うことはなく、2人だけのいわゆる「老老介護」に悪戦苦闘しての結末です。
 この事例のように特別養護老人ホームなど施設介護を希望している方々は、年々増えていますが、基盤整備が遅れています。特養老人ホーム入所待機者の実数と実態を把握し、待機者解消と、高齢者と家族の多様な実態に応じたサービス基盤の拡充を行うべきです。また小規模多機能型居宅介護施設をはじめ、地域密着型サービスを計画的に整備拡充し財政支援を強めるなど介護保障をすすめるべきべきです。お答えください。

《保健福祉局長》平成16年に施設入所希望者や家族の現状や意識の調査を行い、第3期長寿すこやかプランでニーズに即した整備目標を明確にし、推進している。地域密着サービスについても国の交付金を活用して計画的に整備、プランの目標達成に努める。

保険料減免拡大・利用料の減免で市民負担軽減を
 高い利用料で必要な介護が受けられない人が多くおられるのが実態です。負担能力のない方にとっては、介護の利用を抑制することにつながります。「介護制度を利用したい」と相談される方は、まず利用料がいくらかかるのか心配され、高い利用料に「もうすこし我慢しようか」と言われます。
 昨年4月から京都市の介護保険基準額は23%値上げされ、第3期の額は第1期の1・6倍に増えました。しかも住民税や老齢者非課税措置の廃止などの影響で、収入が増えないにもかかわらず保険料が上がりました。中には保険料が2倍になった人もいます。昨年京都市では、「あまりにも高くなった介護保険料に異議あり」と約500人の市民が審査請求を京都府に提出されました。
 さきほど紹介した事例もそうですが、「介護保険料が大幅に上がって生活が不安になった」「将来、介護がしっかりと受けられるのか疑問だ」などの意見がだされています。
国は、介護保険制度発足時2分の1あった国庫負担率を4分の1に減らしました。京都市は、国に対して、介護保険施策に対する国庫負担を抜本的に引き上げるようはたらきかけるべきです。また介護保険料減免制度の拡充、利用料減免の創設など、市民負担を軽減すべきです。いかがですか、お答え下さい。

《保健福祉局長》税制改正の影響で新規課税となった方の保険料・利用料は、国の取り扱いをふまえ18年度から2年間の激変緩和措置を講じている。全国一律の制度であり、保険料・利用料の軽減措置も国の責任で適切に講じられるべきもの。全ての高齢者が必要なサービスを受けられるよう、国に要望を続ける。

介護ベッドなど取り上げた福祉用具を取り戻すべき
 次に、福祉用具の問題です。
 要介護1以下の軽度の高齢者は、昨年4月から原則として、介護ベッド、車椅子など福祉用具の貸与が受けられなくなりました。従来から利用している方も昨年9月末までの利用となりました。
 制度の変更で、京都市全体では軽度認定をされたおよそ3200人の人たちから福祉用具の貸与がなくなりました。明らかに制度改悪による「取り上げ」の結果です。
 ある施設のケアマネージャーにお聞きしました。
 昨年の制度変更のとき施設担当者は、福祉用具が貸与外となる利用者に、「制度が変わるのでベッドが利用できなくなります。ベッドはどうされますか」と聞く。もちろんほとんどの方がベッドがなくなると大変困るので、自費で5万円から10万円程度のベッドを購入された。中にはベッドの購入代金が高いのでやむなくホームセンターに行って1万円程度の機能的に不十分で安い「簡易ベッド」を購入された人もいた、というのです。
 また、生活保護世帯で要介護1の方の場合、ベッドの貸与が保護の対象ではありません。ある事例で、レンタル業者と本人の話し合いでなんとか月3000円の自己負担でレンタルをしてもらうことになった。しかし後日、この月3000円の費用も「支払えない」と本人より申し出があつた、というのです。所得の低い人には、大きな負担を強いる結果となりました。
 昨年の制度変更の趣旨は、高齢者の「自立」を促進する目的で、「要支援」の人に予防給付をするというものでした。しかし、実際は、貸与されていた福祉用具を取り上げられて、自費で買わされた、出費が増えたというのが実態です。家庭に負担をいっそう押しつけています。介護制度導入時にいわれていたのは、「『介護の社会化』で介護をみんなで支え、家庭での介護負担を軽くする」という趣旨でした。しかし、今起きている事態は「いっそう介護を家庭に押し付ける」ことになっています。
 滋賀県では、レンタル料の半分を県独自に助成し、住民を支援しています。助成制度を創設するなど介護ベッド、車椅子を必要な方々に取り戻すべきです。いかがですか。お答えください。

《保健福祉局長》起きあがりや寝返りができる方は対象外となった。他都市と連携して対象者の検討・検証を国に要望た結果、4月から一部見直しで、必要な方には引き続き利用いただいている。独自の助成制度の創設は考えていない。

市立京北病院の医師・看護師確保対策について
 次に、右京区京北の問題についてお聞きします。
 旧京北町が京都市に合併し2年が経過しました。合併後初めてとなる先の市会議員選挙で、多くの団体や住民のみなさんから、合併後の対策について要望をお聞きしました。合併後は、「京北自治振興会」が中心となって、地域の要望など取り上げ、街の課題を行政に反映させていく仕組みです。しかし「旧町時代に住民のくらしや仕事を支えてきたさまざまな施策が後退してきているので、京都市はしっかりと取り組んで欲しい」との意見があがっています。
出された問題について何点か質問いたします。
 まず市立京北病院の問題です。
 京北病院は医師・看護師不足がつづいており、地域医療を支える拠点病院としての役割を果たせるのか岐路に立つ深刻な事態が続いています。
 京北病院常勤医師は、2005年には6名いましたが、その後3名まで減りました。現在は、さらに減って、整形外科の常勤医師はゼロ。内科の常勤医師もゼロのために、2名の外科の常勤医師が内科外来の診療にまわって診ているというのです。そのほかは全て非常勤、嘱託医師になりました。
 市立京北病院は「救急指定病院」です。事故などで入院治療が必要な場合は、整形外科の常勤医師が必要です。しかし、常勤の整形外科医がいないため入院受け入れが出来ない事態がおこっています。また内科の常勤医師がいないことで入院患者の急変に対応できず、やむを得ず他の病院に搬送したという事例まで起こっています。
2月市会で市長は、わが党議員の質問に対して、京北病院の医師不足が「常態化するなど、これ以上悪化してはならない。増員が不可欠であらゆる手立てをつくしたい」。と答弁されましたが、いっそう後退をしているのではありませんか。
 私は、京北にお住まいのみなさんからお話を聞きしました。「常勤の医師が少なくなって、不安を感じる」という意見です。医師の減少で「自分の命と健康について、預けられる状況ではない」と言われました。このような不満から「車で行ける人は、1時間かけ第二日赤病院、市立病院や、南丹病院などに行っている」と言うのです。外来と入院患者数は平成16年から平成17年の1年間だけでのべ約1万人減少しています。「病院が衰退して過疎化を感じた」という人もいました。ただ「自分らの病院だから、近くにあるこの病院に診て貰いたい。いい病院にしてほしい」と語っていました。京北のみなさんにとっては 京北病院を守ることは、これまで自分たちが守り育ててきた故郷そのものを守ることである、との強い思いです。こういう患者さんや住民のみなさんの声を反映して最大限に医師確保をすべきではありませんか。改善はいつまでにおこなうのですか。答弁を求めます。
 また、看護師の当直勤務が、労基法違反の実態にあり、今年3月に園部労働基準監督署から改善指導がおこなわれました。月4回以内の宿直勤務であるべきところ、月6回以上になって、その改善を求めるものでした。
 4月に、市立病院から看護師が2名派遣されましたが、法違反の実態は解消されましたか。見通しはどうですか。改善の決意を求めます。

《保健福祉局長》全国的な医師不足の影響で常勤医の確保が困難。市立病院から昨年4月より内科専攻医1名、今年5月研修医2名を派遣している。看護師の宿直や夜勤の負担が多い実態を解消するため、市立病院から4月に2名派遣、6月にさらに1名追加派遣する。市立病院とのさらなる連携を含め、あらゆる手だてを講じ、医療・看護体制整備に努める。

栗尾峠など山林の大規模伐採について
 次に、栗尾峠など山林の大規模伐採について質問します。
 京北で山林大規模伐採がされて問題となり京都市は平成17年、栗尾峠地区、栃本地区、塩田地区で樹木の伐採跡地の亀裂、地質、植生などの調査をもとに、京都市としての「対応方針」を出しました。その内容は「早期の再植林指導」「定期的巡視」をおこなうというものでした。
 それから2年が経過しましたが、その後の京都市の「対策」の実効性が問われています。業者によって大規模に伐採された後、跡地は一部植林がされましたが、未だに植林がされていない箇所が残されて、年月がたつにつれて、土砂の崩落も発生しています。京都市として、引き続き業者に対して強い植林指導をおこない、治山対策をしっかりと行うべきです。
 この写真は、栗尾峠の国道162号線沿いガードレール直下の 土砂崩落個所のものです。特に問題なのは、ガードレールを支える鉄柱は、コンクリートで固定されていますが、そのコンクリートの下の土砂が崩落しています。この個所は、急カーブの地点で大変危ない難所です。このまま放置すればさらに崩落が大きくなり、国道への影響も予測されます。したがってこの国道沿いの土砂崩落個所は、直ぐにでも改修して安全確保をすべきです。いかがですか、お答えください。

《産業観光局長》杉、ヒノキの再植林地域と、広葉樹の活用地域に分け、再植林地域の予定の植林は指導により完了した。ひきつづく現場監視と、必要に応じて土砂流出防止を講じる。162号線の路肩崩落は応急措置をし、パトロールしている。二次崩落の危険は少ないが、まもなく改修工事に着手する。

山林の倒木被害に対し森林再生への補助拡充を
 次に、雪や台風などの山林の倒木被害について質問します。
 京北の山に入ると、雪や強風などで倒れたままの木が数年放置されているところが各地に残されています。地元の方の説明では、「数年前に倒れた樹木は、伐採・搬出・加工に大きな費用がかかるのでそのまま放置されている」ということでした。
 京北で長らく林業をしてきた方は、「一抱えもある70年育てた桧が倒れたときは本当にがっかりする。昔は、森林組合が直ぐに来て写真を撮り被害の状況を調べて、再植林のための対策をしてきた。しかし今は、植林しても採算が取れないのでほったからしや。みんなそうしている。特に京北の山は、年々荒れてきている」とのことでした。
 植林もすすまず、山が荒れた状態で残されていては、基幹産業である林業を守り育てていく事になりません。また治山対策という観点からも大きな問題が生じます。林業の活性化や森林整備の促進は、農山村にとって待ったなしです。今、みなさんの願いは、零細林業農家に任せておくのではなく、基幹産業育成の観点から大きな対策をして欲しい、ということです。
 行政的補助は、倒木の伐採、搬出、処理、植林に対して一定程度ありますが、林業家個人の負担がまだ大きいのです。今のままで、たとえ補助を受けて再植林をして育てても、採算があわず赤字経営となるので植林を控えているのです。林業家のみなさんが木を育てることができなくなり、山仕事を職業とする人も減っています。森林組合も仕事が減ってきています。仕事興しの点でも対策を取る必要があります。京都市は、林業振興対策を今後どうしようとしているのですか。また、倒木被害対策として伐木処理や植林をする場合に、林業を営むみなさんの負担を軽くするため、補助をいっそう拡充すべきです。いかがですか、お答えください。

《産業観光局長》降雪による被害は甚大、18年からの3カ年計画で再植林を支援している。通常の植林より高い82.6%の助成。森林再生が計画的にすすむよう、関係機関が協力して林業者支援にとりくむ。

市内産木材需要拡大の施策をさらに
 さらに、市内産木材の需要拡大のため、木材活用の活性化に取り組む必要があります。長野県では、県産材50%以上使用すれば融資金利が当初5年間は無利息、その後の利息は2%にする「県産木材」融資制度をしています。鳥取県日南町は、町産材の住宅や納屋、作業場を建築すれば40万円まで補助する」制度を今年4月からスタートさせました。
 京都市は、昨年から住宅のリフォームに対して、25万円相当の市内産木材の柱、板、床材などの提供を始めていますが、利用はわずか19件にとどまっています。さらに拡充するために、現物提供形式とともに、「市内産木材」を活用した住宅改修助成制度の創設や公共施設への積極活用をすすめていくべきです。お答えください。

《星川副市長》市内産材活用は林業振興、地域活性化の重要課題。京の杣人工房実施とともに、リフォームに対する木材供給事業を開始利用は19件だが拡大が期待される。市内産材普及活用の気運が高まっている。また、市立学校を中心にした市内産材積極的活用に取り組んでいる。

地下鉄延伸に伴い、右京区市バス南北路線の再編・小型循環バス実現を
 次に、市バス問題について質問します。
 京都市は、地下鉄東西線 二条-天神川間の延伸開業について、当初予定していた 来年3月開業を2ヶ月前倒して1月に開業させ、新駅名を「西大路御池」駅と「太秦天神川」駅とする方針を明らかにしました。右京区の新駅建設地には区役所総合庁舎の建設もすすみ、新しい都市基盤として市民的期待も大きいものがあります。
 右京区の「太秦天神川」駅開業にともなって重要なのが新駅を中心とした市バスや京福電車とのアクセスによって、市民の利便性や観光地の交通対策をいっそう向上させることです。
 ところが、現在の市バス路線では 御池通り東方向は 地下鉄新駅に直結する路線がありません。また、北の高雄、宇多野、御室方面及び南の葛野、西京極方面から地下鉄新駅及び総合庁舎へ直結する市バスがありません。住民のみなさんは 「今のままのバス路線では区役所に行くにもひと苦労する」という意見です。右京区の市バスは、一条通り、三条通り、四条通など、東西路線に偏重しており、南北方向への移動は 数本のバスを乗り換えるか 遠回りしなければならない不便な状態です。
 住民団体「右京区民の足を守る会」が、公共交通について調査、研究、など積極的な取り組みを行い、右京区での市バス新路線の提案などを市民の立場でおこなっています。この団体の提言や、わが党が実施した「住民アンケート」に寄せられた要望は、「天神川通りを南北に走り、右京区文化ホール・JR花園駅、地下鉄太秦天神川駅、市立体育館、阪急駅などを結ぶ市バス路線をぜひ実現して欲しい」、また右京区の公共施設を結ぶ小型循環市バスを走らせて欲しいとのご意見です。
 右京区は、「京都市基本構想」をもとに「右京来夢らいと計画21」を発表しています。市民参加で作られた同「計画」は、地下鉄東西線を基点とした 天神川通りの市バスの再整備として「コミュニティーバスの運行」を掲げています。
 新駅は、いよいよ来年一月開業ですが、市バス南北路線の再編や小型循環バスの運行など、市民の要望に応えるべきです。いかがですか。

《桝本市長》地下鉄開業に伴い地元の皆様からバス路線の要望を多くいただいている。交通局で市バス路線再編検討委員会を設置し、検討している。地下鉄開通時に一体的に再編する。再編にあたっては、地下鉄駅や公共施設へ便利に行けるよう、右京区南北を結ぶバス路線の整備を図るなど、区民の皆様に喜んでいただける市バスとなるよう取り組む。

地下鉄に結ぶ京福新駅の安全確保を
 最後に、京福電鉄は、地下鉄「太秦天神川駅」に結ぶ新駅を三条通りに設置を計画し、その建設は京都市がおこなう予定です。利用者にとって利便性は高まりますが、交通量が多い三条通りに「乗降駅」を設置の場合、利用客が危険にさらされるために、安全対策が求められます。住民のみなさんは安全確保がなおざりにされないか、と心配しています。事故が発生してからでは遅すぎます。京都市の責任で、信号機の設置などを公安委員会にはたらきかけるなどして、積極的に安全対策を講じるべきです。どのように取り組まれるのか、お答えください。
 以上、市長の積極的答弁を求めて質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

《建設局長》京福電鉄と協力し、新駅設置をすすめている。道路の安全、高齢者や障害者にも安心して利用いただけるよう公安委員会と協議し、京福や地元と調整している。

(更新日:2012年05月31日)

2010年10月1日本会議代表質問

右京区選出の西村善美です。私は、日本共産党市会議員団を代表して市長に対して質問をいたします。
労働者派遣法の早期「抜本改正」を
 まず雇用の問題です。今度の総選挙の結果は、雇用の問題でも明確な審判が下されました。新政権は、国民が強く求めてきた、労働者派遣法の改正に取り組むことを打ち出しています。

 政府が発表した7月の雇用統計によると、完全失業率は5・7%と過去最悪となり、有効求人倍率も0・42倍と過去最低を3カ月連続で更新しました。

 雇用の状態は、働く人たちの3人に1人、若者の2人に1人は不安定雇用という事態です。しかも最低賃金は、全国平均で時給713円、フルタイムで働いても年収150万円にもならない低水準にとどまっています。

 私のところに右京区にお住まいの43歳の男性から相談があました。自動車部品製造の関連会社、ジャトコで働いていたが、昨年3月に腰痛で休んだところ解雇を通告されたという内容です。この方は派遣社員でした。会社からは、「会社を辞めると直ぐに会社の寮を出なければならない」と言われました。事前に休むことを伝えて休暇をとったのに、なぜ解雇されるのか納得がいかない。そこで一人でも加入できる労働組合に加入して、会社と交渉を試みましたが、会社は解雇を撤回しませんでした。

 「何も悪いことはしていない、まじめにコツコツと生きてきたのに、住むところも生活の糧もなくなる、これからどう生きて行けばいいのか」と焦る毎日、職場と寮を追われる悔しさと絶望感で、「心の病気」となりました。次の仕事を探して面接をしても年齢を理由に断られつづけ、やっと決まった仕事も病気で、続かなくて短期で退職してしまいました。これでは生活できないので生活保護を申請し、今でも仕事につくことはできていません。

 仕事を探しても正社員の仕事がほとんどなくて派遣社員になり、社員寮を利用すると、寮費・光熱費を引かれ、手取り6万円から7万円の低賃金で働き、休めば簡単に解雇されたのであります。こうした雇用の実態がひろがり、国民の大きな怒りがおこり、政権が変わったのは当然であります。市長は、こうした国民の審判を重く受け止め、「労働者派遣法の抜本改正の立場」を明確に打ち出すべきであります。また、市内に立地する企業に、正規雇用の拡充を求めていくことが、あなたの責任ではありませんか。お答えください。

(市長)非正規労働者の増加は、我が国の人材育成や産業基盤構築に関わる重大な問題と認識する。国会で、日雇い派遣の禁止、登録型派遣、製造業派遣の原則禁止等の改正が図られることを期待している。京都労働局や京都府と緊密に連携し、求人確保を更に強めていく。

 OECD経済協力開発機構は、「2009年の雇用見通し」のなかで,日本の労働者の貧しさを警告しました。それによると、「ワーキングプアの増大」「貧困層のなかに非正規労働者の割合が高い」ことを指摘しています。そしてこれら多くが「雇用保険に未加入」の問題などをあげています。そこで、これを解決するため「労働者派遣法の抜本改正をはじめ、最低賃金の引き上げ」の必要性など指摘しています。

 8月25日公表の「2009年版 厚生労働白書」は、昨年10月以降に非正規労働者約22万9千人が、雇用契約終了時に「雇い止め」や「解雇」となったと報告しています。

 京都市中小企業経営動向実態調査でも、「総従業員数削減の傾向が強まっている」と指摘しています。雇用形態別で見ると、社員を「減らす」の割合が、最も顕著なのが人材派遣社員でした。

 市長。安定雇用を作り出すため国に対して、いまこそ「労働者派遣法を早期に抜本改正すること」、京都市の最低賃金が生活保護基準より下回っていることを踏まえ、「全国一律に最低賃金を時給1000円以上に引き上げること」、その場合は「国に中小企業への支援措置」をすることを強く求めるべきです。お答えください。

(市長)国と最低賃金審議会で改善されているが、引き続き改定が必要。中小企業の体質強化や生産性向上等を図るため、国に適切な支援を要望していく。

官製ワーキングプアをなくし、公契約条例の制定を
 次に、公務に関連して働く人たちの雇用問題です。京都市の職員は、2004年度から2008年度までの5年間で1301人が削減されました。その一方で、非常勤嘱託員や臨時的職員などに置き換えられています。 

 その人たちの賃金の実態は、非常勤嘱託職員で、月22万4000円、年間約268万円です。臨時職員の方は,高い方の人で日額8000円、20日間働いて,年間約192万円にしかなりません。「所得税、国保料、年金など支払えば生活はぎりぎり」で、「食べていけないような労働者を自治体が作りだして」いると厳しい声が上がっています。

 京都の自治体ではたらく、非常勤職員へのアンケートでは、「雇用契約期間での打ち切りはやめて欲しい」、「職員と同等の仕事の内容をおこなっている現状を踏まえて賃金、労働条件の格差はなくすべき」など意見が上がっています。

 9月に発表の「職員の給与に関する報告及び勧告」のなかでは、「臨時的任用職員及び非常勤嘱託職員は、市政運営の担い手としての役割を果たしている」と位置づけ、「職場の一員として、より意欲を持って働ける環境を整備していく」ための「検討を進めるべき」としています。京都市は、官製ワーキングプアをつくらないため、職員の削減計画は撤回し、賃金・労働条件を改善し、率先して雇用を安定させるべきではありませんか。お答えください。

(人材活性化政策監)厳しい財政の中、満足度の高い市民サービスを最小経費で行うために、間断ない行財政改革が必要。総人件費抑制は重要な課題。非常勤、臨時的任用職員は、適切な役割分担を踏まえて任用。賃金・労働条件も適正水準を確保。「官製ワーキングプア」の実態はない。

 京都市が発注する公共工事や業務委託では、事業者において「公正な賃金」が確保され、さらに「品質が確保」がされなければなりません。そのためには、発注にあたり、予定価格の算定において十分な賃金単価や、適正な雇用条件の設定を発注先選定の条件とさせるべきであります。

 千葉県野田市では9月30日、全国で初めて公契約条例を可決しました。その内容は、市の発注する大規模事業や委託業務を請け負う業者に、国が決めた最低賃金を上回る給与の支払いを独自に義務付けるものです。なぜこの条例ができたのか。その理由は、「一般競争入札を実施するなかで、弊害が出てきたこと。総合評価方式による契約をしている中でも、低入札があること。そのツケが労働者の賃金や、下請け業者へ回ってくることが懸念される」との問題からでした。

 京都市に関連する仕事をしている方からは、「下請けの仕事をしているが、賃金が安い」との意見や、「仕事を取るために身を切る努力をしている」などの声を聞きます。

 最低価格をも下回り、予定価格を大きく割るような落札の場合、品質確保と共に、下請業者へのしわ寄せが危惧されます。ひいては市民サービスへしわ寄せが行くことにもなりかねません。

 本市において、公共工事における下請けなどの賃金の確保や適正な労働条件を確保するため、公契約条例の制定をめざすべきであります。お答え下さい。

(財政担当局長)低価格入札で不適切な場合には契約を締結しないなど、適正な下請け取引の推進に努めている。「公契約条例」の制定は、他都市の動向を注視し研究していく。

ただちに母子加算を復活し、老齢加算の早期復活を
 次に生活保護行政について質問します。生活保護を受けている方々にとっては、生活保護の母子加算・老齢加算の廃止で、大変厳しい生活に追い込まれています。

 次は私が相談を受けた2つの事例です。右京区にお住まいの38歳の女性は、16歳と12歳の子供と三人暮らしですが、子供が「パニック障害」で、フルタイムで仕事をすることができません。パートで働いて給与は、月6万円から7万円で、後は生活保護費を受給しています。今年4月に母子加算手当がなくなり「就労促進費」を受けていますが、それでも成長盛りの2人の子供に色々とお金がかかるので、母子加算の復活を求めています。

 長妻厚生労働大臣は、生活保護の母子加算を年内にも復活させると明言しています。歓迎をするものです。

 市長。5月に開かれた議会においてわが党議員が代表質問で、母子加算の復活を求めました。これに対する答弁では、「母子加算廃止は社会経済情勢の検証の結果であり、妥当なものである」とする内容でした。今、この認識を反省し改め、母子加算復活のため、国と一体となって直ちに取り組みをすすめるべきです。お答えください。

 また、老齢加算の廃止の問題で 相談を受けた82歳の男性の場合、わずか1ヶ月21000円の年金のため、生活保護を受けています。しかし、老齢加算の廃止で生活費が2万円ほど少なくなり、生活が激変しています。電気代節約でクーラーは夏でもかけず、食事は1日2回に減らし、魚・肉などはほとんど食べられなくなりました。老齢加算の廃止で弱い高齢者をいっそう困難に追い込んでいる事実があります。

 市長。こういう事態は一刻も早く改善をしなければならないと思いませんか。

 国に対して、早急に、老齢加算についても復活の対策を取ることを強く求めていくべきです。お答えください。

(保健福祉局長)今般の厚生労働大臣の発言は報道で承知している。生活保護制度が最後のセーフティネットであることを踏まえ、国の動向を注視し、老齢加算も含め、基準改定が行われた際には、迅速に対応する。

日米FTA交渉をやめ、農業支援を
 次に農業支援対策について質問します。

 右京区・京北の農家から、農業の実情について話をお聞きしました。コメの買い上げ概算価格は、60kgあたり「コシヒカリ」で12、450円。「キヌヒカリ」で11、300円程度です。一町三反を水稲しているという方のお話では、「稲作だけの年収は約160万円で 収支は赤字、兼業でなければとても生活できない」と訴えていました。

 原因は、不況の中で米の消費が落ち込んでいると言われますが、これまで農産物の輸入自由化が進められ、国民の食料を際限なく海外に依存する政策がすすめられてきた結果です。

この事態を解決する道は、日本の食料自給率の向上に踏み出し、食をめぐる国民の不安を打開し、農業を再生することにあります。

 日本の主食である米の再生産を可能にするためには、米の「価格」と、「安定供給」について、国が責任を持つことであります。そのためには、WTOのミニマムアクセス米や日豪FTAの締結をやめること。「コメの82%の生産量が減少する」と言われて農業が大打撃を受けるような、日米FTA自由貿易協定は、「交渉そのものを中止する」ことであります。

 市長は、農家を代表し国に対して、日豪及び日米FTA自由貿易協定の交渉そのものをやめて、価格保障や所得補償をおこなうこと、耕作放棄地対策のなど、農業再生を求めるべきではありませんか。お答えください。

(産業観光局長)農家の高齢化、農産物販売価格低迷など状況は厳しい。国が進めている自由貿易協定の内容次第では、日本の農業に大きな影響を及ばすことになると憂慮している。国の新たな政策を注視する。

 京都市は、今後10年間の次期京都市「農林行政基本方針」を策定のため検討委員会で作業をすすめています。農業統計、「京都市農林業の主な誘導数値目標の達成状況」の資料では、農地面積、農業従事者、水稲面積、生産量、自給率などいずれも減少しています。農業も林業も生産者は、小規模事業家が中心で、「生業として成り立たない」というのが実情です。この状況において、これからの農林業の振興対策をどのようにしていくのか大きな課題があります。そして、新たな「農林行政基本方針」は、京都市の農林業の再生に重要な役割を担うべきものであります。

 市長は、「農林行政基本方針検討委員会」のあいさつの中で、「農業・林業は人類のもっとも大切にしなければならない、命を育む基本である。また農業・林業は、環境問題とも切っても切れないものである。日本の食料自給率は4割をきり、木材は8割を輸入に頼っている。日本の森は荒れている。先日、京北に行ってきたが、山は松くい虫でひどいことになっている。また花背にも行ってきたが、こちらも高齢化で深刻な事態だ」と発言されていました。これらの現実をふまえて検討委員会の中でも委員から、「学校給食への地産地消の取り組み」や「耕作放棄地対策」の重要性、「所得補償」などについて真剣な議論がされていました。これらの施策については、たいへん重要でありますので、次期「基本方針」に生かすべきであります。お答えください。

(産業観光局長)「京都ブランドを生かした魅力ある農林業の構築」「都市農地保全による地産地消」等の視点に立った議論を深めていく。更なる振興・発展に努める。

消費者行政の推進、相談体制の確立を
 次に消費者保護について質問します。消費者庁が9月に設立されました。

 これまでの消費者行政は、経済産業省や厚生労働省など、各中央省庁がそれぞれの立場で、「企業育成」と「消費者保護」という、時には相反する両面の課題を受け持ってきました。

 このたび設立の消費者庁は、消費者の保護を本旨とする行政組織で、お目付け役の消費者委員会の設置とともに、消費者行政の司令塔の役割を担い、国民の権利と利益を守る使命を担います。

 そのもとで、地方自治体の消費者行政は、消費者保護の役割において、これまでにも増して重要なものとなりました。

 国会で法の成立にともない、「地方消費者行政の支援」など付帯決議が付されています。それは、消費者と直接の接点となる、地方の消費者センターなどの体制確立に万全を期するためです。 

 しかし、消費者センターの人員配置や国の支援などは「三年以内に検討」と、先送りされたままです。また、「消費者ホットライン」の窓口が全国いっせいに開かれないなど、体制が不十分なままの見切り発車の感が否めません。

 消費者被害を繰り返させないため、国の支援のもとに、新たな地方消費者行政をつくるときであります。そのために国は、自治体へ資金面の支援をおこなうべきです。そこで、京都市は、国に対して早期に、消費者行政の体制確立を求めるべきです。お答え下さい。

 消費者問題に対応する相談体制を、さらに拡充させていかなければなりません。京都市の2008年度、「消費生活相談」の件数は、7801件で、前年度と比べて109件増加しています。

 相談内容の中で多重債務問題が、前年度構成比で6、5%から14、7%と2倍以上に増えています。それはなぜ増えたのか。要因は、「多重債務専用相談窓口設置」や「特別相談の実施」など、特別に体制を強化した結果にあります。

 この取り組みを、さらに生かすことが必要です。全般的に相談体制の強化をしていくことで、ひいては市民の消費生活に対する「相談の需要に応える」ことになります。こうして市民の「生活の安心確保」にもつながるわけであります。

 そこで、相談員を増員すること。研修会等をさらに充実して、専門知識や相談能力の向上を図ること。さらに、相談員の待遇改善が必要です。安心して相談業務に取り組むことができる労働環境・賃金保障にいっそう取り組むことが求められます。

 市長、相談員の増員、報酬増額など待遇改善のため、京都市の努力とともに、国に対して支援策を求めるべきであります。お答えください。

(市長)多重債務対策など相談体制の拡充を推進。市民生活センターの相談内容は、年々複雑・多様化のため、相談員のレベルアップを図ってきた。相談増加に対応できるよう、体制強化に努め、消費者庁と十分連帯し、更なる拡充を図る。これらの取り組みを着実に実施し、消費者が自立、安心して暮らせるまちをめざし、京都ならではの取り組みを全力で推進する。

京都市立芸術大学の法人化はやめ、施設整備を急ぐべき
 京都市は、京都市立芸術大学を、2012年度をめどに公立大学法人化を目指すとしています。しかし、はたして京都市立芸術大学にとって独立行政法人化が必要なのか、疑問であります。

 地方独立行政法人法は、2000年12月「行革大綱」で導入が決められ、いわゆる「官から民へ」の「構造改革路線」の一環で、これを大学運営にも持ち込んだものです。

 国立大学が法人化された結果、国からの「運営交付金」は毎年1%削減、5年間で720億円も削減され、その影響で人件費の削減や研究費が減少しています。

 地方自治体の公立大学でも、国立大学と同じ傾向にあります。2007年度に法人化された愛知県立大学では、2007年度運営交付金は約55億円だったのが、09年度は約51億円になりました。その結果、職員は人材派遣職員や契約社員の配置がすすめられ、教員も任期制及び特任教員制が導入されました。

 横浜市立大学では、任期制や年俸制導入。大阪市立大学は5年間で経費約20%削減。北九州市立大学は、教員の業績評価で研究費の傾斜配分を導入するなどいずれも効率化や目先の成果を強いられているのが実態です。沖縄県立芸術大学では、「法人化による運営は採算がとれず、大学施設の更新を先行させる」として法人化をストップしています。

 公立大学は、広く知識を授け、専門の学芸を教授・研究し、知的、道徳的及び応用的能力を発展させることを目的に、住民の教育要求にこたえ、地域に貢献するため、地方自治体が設置し、経費を負担します。

 しかし、法人化されると経費負担は法人の責任となります。また、自治体の首長が大学の目標を定め、その達成業績を評価委員会が評価することになるのです。これでは教育研究が首長の意向に左右されるようになります。大学の自主性が損なわれる恐れがあります。また議会の関与が縮小・空洞化されます。効率的経営や自己資金の獲得が強められ、資金確保に結びつかない「教養教育」や「基礎研究」など弱まることが危惧されています。

 大学での「基礎研究」の役割について、元京大総長の尾池和夫さんとノーベル賞受賞の益川敏英さんは、雑誌対談のなかで「基礎研究は何のためと考えないで、これが大事だとおもったら信念を持って基礎研究をやる」とその重要性を語っています。

 また、国際日本文化研究センターのある教授は最近、新聞投稿で、「文化・学術への施策は、性急に成果を求めたり、効率的見返りを期待するものではない」、「長期目標」「中期目標」など立てさせて、「第三者による評価を求める制度は真の成果は望むべくもない」と語っていました。

 いずれも、大学における研究活動の在り方について、示唆に富んだ指摘であります。

 国会で、地方独立行政法人法に対する付帯決議がされています。「憲法が保障する学問の自由と大学の自治を侵すことがないよう、大学の自主性・自立性を最大限発揮しうるための措置を講じる」という内容です。

 京都市立芸術大学は2004年、学内に「将来構想委員会」が設置され、2006年「京都市立芸術大学の将来に向けて」という将来構想を差し示しました。その結論は、「法人化をすすめることは妥当でない」というものでした。

 今、学内からは、法人化について、「京都市の大学改革方針や基本計画案に、学内の議論が反映されていくのかは明確でない上、半年程度で基本計画案を策定するということは、学内の議論と大学の自治を軽視するものです」との声があります。これに正面から向き合うべきであります。

 市長。「大学の自治」などを考えるならば、京都市立芸術大学の地方独立行政法人化はやめるべきではありませんか。お答えください。

 大学のまち・京都にあり、唯一の公立4年制、京都市立芸術大学は市民的財産であり、大学が果たしてきた芸術分野での世界的・歴史的価値からしても、一層の支援が必要であります。

 設置から30年を迎えようとしている京都市立芸術大学は、老朽化が顕著な施設が生まれています。ひび割れた建物、モルタルが欠けている箇所、収蔵庫は作品が満杯状態で保存が心配されています。法人化ではなく、まず施設整備を急ぎ、教育研究環境を整えるべきであります。答弁を求めます。

(星川副市長)学長、学部長、教員の代表者、庁内関係局長が、学内での検討も踏まえ「大学整備・改革基本計画(仮称)」の策定にむけ、精力的に議論している。公立大学法人の制度設計や老朽化している教育研究環境の整備等の基本的方向を盛り込むことにしている。

右京区京北地域の「遠距離通学費支給事業」の継続を
 最後に。右京区京北は来年4月で、合併から5年が経過します。

 合併前、当時京北町が実施していた事業のうち94事業が廃止されました。経過措置が設けられた事務事業は、14事業です。国民健康保険事業は保険料が低く抑えられていました。しかし、合併からの「経過措置」は、07年度末をもって適用されなくなり負担が増えています。

 京北は、「京都市・京北町合併建設計画」及び「京都市過疎地域自立促進計画」などをもとに事業が進められていますが、これらの計画の折り返しの時であります。

 農業、林業振興や高齢化対策、病院存続などさまざまな大きな課題が指摘されています。さらに危ぐされているのは、京北地域の人口の減少に歯止めがかからない事態です。

 井戸の地区では、「かつては、数十人の子供がいたが、今は小学生2人、中学生1人となり集落の将来がなくなる」、などお話を聞きました。京北の少子化対策は将来の街づくりの点でも重要な施策であります。

 子どもたちを学校に通わせているみなさんから話をお聞きしました。「遠距離通学の援助がなくなれば、負担が増えるので是非、残してほしい」というものです。

 そこで、一端廃止された「遠距離通学高校生通学費補助事業」は京都府にも働きかけて存続すべきであります。5年間の「経過措置」とされていて、来年度廃止予定の、「小学校遠距離通学費支給事業」および「中学校遠距離通学費支給事業」は、本市が責任をもって、新年度以降も実施を継続すべきです。お答え下さい。

 このことを求めて私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。

(教育長)花脊地域の学校統合を契機として平成19年から無償とした。この措置に準じ、京北地域でも合併以前からの経過をふまえ、スクールバスの無料運行とスクールバスの代替え利用される路線バス運賃の全額補助を継続する。

(更新日:2012年05月31日)

2011年2月予算議会代表質問

右京区選出の西村よしみです。

 私は、日本共産党市会議員団を代表して2011年度予算案について市長に質問いたします。
続きを読む »

(更新日:2011年03月03日)

Page 1 of 11